「ほおー、山口県から、わざわざ来られたのですか？」

「そうですよ、ここはなかなかよい温泉ですね」

「そういっていただけると、なんだか嬉しくなりますね」

「なにもない村ですが、この温泉は自慢できますよ。それに、この白い泡、マイクロバブルとかいうそうですが、これがいいんですよ」

「マイクロバブルというのは、そんなにいいのですか？」

「私もよくは知らないのですが、マイクロバブルというのは、みなさんの評判がとてもよいのですよ」

「どんなふうに、よいのですか？」

「みんなが口を揃えて、まずいうことは、ぐっすり眠れるようになったことと身体が軽くなったということの２つです」

「それは、どういうことなのでしょうかね？」

「詳しいことは、よくわかりませんが、とにかく入浴後の身体が温かく、布団に入ってもぽかぽかしたままで、寝やすいのです」

「身体が冷えていると、なかなか寝付けませんよね。逆に温かいと寝やすい、理にかなっていますね。それでは、寝起きの方はどうでしょうか？」

「そう聞かれると思っていましたよ！　寝起きがよく、すっと起きられます。最高ですよ。夜遅くまで仕事をすることがあり、そんなときは、寝る前にマイクロバブルのお風呂に入って寝ると、翌朝の目覚めがちがいますね」

それから、この湯治客からは、身体が軽くなった、よく眠れるようになった、曲がらない腕が曲がるようになった、立って仕事をする場合に、足が疲れないようになった、よるトイレに行く回数が激減した、血圧が下がった、さらには髪の毛がやや生えてきたなど、興味の尽きない話を披露していただきました。

「こうして、70歳以上は無料という村長の大英断のおかげで、みな元気になり始めました。これは、とても素晴らしいことであり、ものすごいことだと思います」

「高齢者のほとんどの方々が元気になったということですね」

「その通りです。ここは、そのうち元気高齢者の村になっていきますね」

つづく