「屋外にリビングがある家」といわれるほどの家ですから、その特徴は、屋外のリビング、すなわち、中庭にあります。

その第1の特徴は広さにあります。建築設計を行った山中さんと意気投合し、思い切って、この中庭を広くし、その面積も50㎡にしました。

北側に住居部分があり、その南が中庭、そしてさらに南が会社事務所という構成になりました。

第2は、中庭をすべてタイル張りにしたことにあります。淡い黄褐色のタイルの色が壁の白、そして太陽光によく反射して、独特の光の空間が形成されるようになりました。

2月、3月とよく雨が降り、まことに左官泣かせの雨となりましたが、その遅れのおかげで、左官のY兄弟の方々と親しく話ができるようになり、そのプロとしてのタイル張りの作業を目の前で見ることができました。

お兄さんの方は、若い時に徳山市銀南街の仕事をなされたこともあり、それで話が合い、余計に親しく交流をすることができました。

なにせ、左官業50年のプロ中のプロですから、何もかもよく知っておられ、その話をしながら、何気なく動かす手の動きに思わず惹きつけられてしまいました。

「いやー、先生、私も長い間左官をしてきましたが、こんな家は初めてです」

「それは、どういうことですか。たしかに変わっているといえば、変わっているのですが、そうですか、どこが初めてなのですか?」

「なんといっても内も外も、塗り壁ばかり、そして、このタイル張りでしょう。いまどき、こん家はありませんよ」

「これだけの塗り壁があれば、相当やりがいがあったでしょうね。加えて、このタイル敷きの中庭ですから、珍しいのでしょうね」

「珍しいというよりも、こんな家の仕事は初めてです。私どもは、設計した建築士さんの示された通りのことをしただけですが、それにしても、内も外もいい壁ですね。なにしろ初めての工法でしたから、いろいろと勉強になりました」

「おもしろかったようですね。なにか腕に痛みがあったと聞いていますが・・・」

「腕が痛くなってきたので、もう仕事をやめようかと思っていたところでした。弟一人では、壁塗りが大変と思って手伝ったのですが、途中から腕の痛みも忘れて本気になりました。それにしても、内壁も外壁もよくできて。これまでの壁塗りでは、これだ一番の出来栄えですね」

「大いに楽しまれたようですね」

「はい、そうです。大いに楽しみました」

「ところで、この『そとん壁』という壁は雨が降るたびに白くなっていくのだそうですね」

「はい、そうです。これから時間をかけて白くなっていきます。この壁も気に入りました」

「雨の日と晴れの日で色が違うし、光が射している部分と影の部分とでも違いがありますね。まさに変幻自在の壁といったところでしょうか。それから、このタイルも素晴らしいですね」

「このタイル敷きの中庭もいいですね。これまで、こんな広い中庭を見たことがありません。仕事のしがいがあるタイル敷きじゃぁと思っています」

「先ほどから、手の動きに見惚れていました。さすが、50年の歳月を重ねてきたプロの技ですね」

「腕を動かしていると、痛みが徐々になくなってきました。やはり腕は使わないといけませんね」

「なにか腕に痛みがあると聞いていました。どうですか、マイクロバブル風呂に入って、それを和らげてみてはどうですか?」

「マイクロバブルのことは、大工のUさんから聞いていました。ほんとに効くのでしょうか? 効くようでしたら、ぜひ風呂に入りたいと思っていました」

「それは、どうぞ、どうぞ遠慮なく。みなさんのために造った風呂のようなものですから、どうぞお試しください」

こういわれ、さっそく、体験入浴をなされたYさんでした。中庭談義から風呂入浴へ、なんだか、おもしろい展開になりそうです。

つづく

Nakaniwa1

山中さん提供の3D設計画像