K市における「まちづくり」における6番目の理念は「市民の連帯感があるまち」でした。
この理念のように、市民のみなさんが何事においても連帯感を持つことは非常に大切なことであり、まちづくりの基本中の基本といえます。
しかし、問題は、その連帯を今以上に発展させ、最高のものに、どうやって近づけていくかにあります。
さて、K市の人口は、3100人余です。最近の統計によれば、このO県において人口を増やしている自治体はなく、すべての自治体で人口流出と人口減が同時に進行しているようです。
この傾向に従えば、K市もすぐに3万人を切ってしまう恐れがあります。若者が減り、高齢者のみが増えるという珍しくない人口減少のパターンです。
歯止めの利かない人口減少のなかで、まず、最初に重要な取り組みは、「元気高齢者」を主体にした「まちづくり」の工夫を行うことでした。
しかし、これとて、さまざまな問題や限界があり、簡単に実現できることではありません。
そこで、知恵を集め、絞ることが大切になりますが、その知恵を生み出す部隊との連携が重要になります。
ご周知のように、人口3万人の規模では、4年生大学や短大を設立する条件がありません。もちろん、高専も同じです。
こんななかでよくあるパターンは、良心的な研究者が、ある一定の期間訪問して研究を行うことであり、これとて、ある分野の調査研究に限られてしまいます。
すなわち、個別対応で限られた期間の学との連携しかできていない、これがこれまでの状況といえます。
学の側とて、個別の大学や専門の壁を打破することができないままで、その取り組みはどうしても限定的にならざるをえないのです。
多様な専門分野における学としての知恵が集結され、その地域の優れた地域産業資源を生かし、さらに、人材も育てていく、このような総合的な取り組みで自治体を再生させた事例はほとんどありません。
すなわち、学の側も連携ができないまま、自治体と個別に連携しようとしているのです。ですから、もともと総合的な問題が山積しているのが自治体問題ですから、その問題解決をなかなか達成できていないのです。
そこで、自治体の再生や町おこしの最初の取り組みとして、さまざまな分野の学との連携が可能なまちづくり自身が重要になります。
まずは、学の側が、その自治体に来て、その自治体の自然や地域産業資源のすばらしさを認識し、それをどう生かすか、そこに学問研究の成果をいかに適用するか、ここに最高の知恵を働かすことができる場づくりが必要になります。
そのためには、学の連携を可能とするコーディネータの役割が重要です。学を束ね、学の側の学習も修業をしていただくことができる役割の人が必要になります。
現在の自治体が抱える問題を克服し、自立ある経済や生活、産業を再生させるには、それを可能とさせる学による知恵の集結と実践が不可欠といえます。
最高の人を育てるには、最高の教材とやる気が必要になるように、地域産業資源や自治体を最高に発展させるためには、最高の知恵の集結と実践が必要になる、これはある意味で当然のことなのです。
以上、6つの理念について、新たな視点から考え直してみました。これから、その新理念に基づいて問題解決を試みさせていただきます。楽しみですね。
(この稿おわり)
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コメント、ありがとうございます。ようやく、ブログを更新できるようになりました。奈良講演の後から開始した引っ越しが並ではなかったので、それに明け暮れていました。現在は、引っ越しの受け入れと整理に追われています。ただし、こちらには、特注のマイクロバブル風呂が整備されましたので、これに励まされています。どうか、この中庭のある「屋外にリビングがある家」にお出でください。これから太刀魚が惜ししくなる季節です。地元では、「銀たち」と呼ばれています。これが絶品です。「銀たちに誘われて国東詣で」、地中海気候の光溢れる中庭で、「銀たち」とワイン、なかなかのものだと思いますよ。