「屋外にリビングがある家」にややなじんできました。私としては、初めての持ち家ですので、新鮮な感じを持ちながら、そして、やや戸惑いながら、新しい家をどう理解したらよいのかを考えながら過ごしています。

最初に強い印象を覚えたのは、よく風が吹いてくることでした。すでに述べてきたことですが、ここは大分県住宅供給公社が、大分空港や工場誘致に備えて造成した住宅団地です。

当時から「ハイテクニュータウン」と呼ばれ、まず、電柱がない、各土地の広さが100坪前後と比較的広い、インターネットやケーブルテレビの設置環境が整っているなどが宣伝されていました。

これらの特徴に加えて「風がよく吹く」ことを知りました。この住宅団地は、空港から車で4分ぐらいのところにありますので、海岸沿いの空港からは、おそらく2km程度の、やや高台にあります。

周囲は昔の自然林に囲まれていますので、上から見ると、森林の1ケ所で造成が行われたところといえ、その団地が自然の山林のなかにあるとも表現できそうです。

また、ここは、「日本の地球海」と呼ばれるほどに陽射しが強く、太陽がさんさんと降り注いできます。

どうやら、ここで風が吹くのは、この高台の麓で造成された大地を太陽が温めたときに、周囲の海や山における温度差が生まれるからではないかと思います。

この団地が先に温まり、そして先に冷える、ここと周囲の自然林とに温度差が生まれ、温められた上昇気流に周囲から風が吹き込むんではないかと想像しています。

また、ここでは大きな山や谷がなく、低気圧、高気圧がどんどん通り過ぎていきます。それらの停滞がほとんどないので、天気が常に移行していく場所でもありうるのです。

これらを一言で表現すれば、「高台を風が通り過ぎていくところ」、このようなところに、「屋外にリビングがある家」は建てられたのです。

住み始めた3月は、西や北からの風がよく吹いていました。

これから春から夏にかけては、どのような風になるのでしょうか。

風については、亡くなった俳優の渥美清さんが、おもしろいことを仰っていました。

かれは、一時期、よくアフリカに行かれていました。どうして、アフリカにいくのですかと尋ねられたときに、

「サバンナの向こうから吹いてくる風がちがう、その風をあたりにきた」

といわれていました。

これから、この国東の高台では、どのような風がふくのでしょうか?

つづく

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早朝の「屋外にリビングがある家」(撮影は筆者、2012年4月13日)