引っ越し作業も、やや下り坂になり、落ち着き始めました。しかし、それは私の書斎兼寝室を除いてのことであり、この空間は、まだしばらく時間がかかりそうです。
というのも、いまだ未到着の分が、現在の書斎に収まっている量の2倍ほどもあり、さて、これをどうしよかと頭を巡らしているところです。
それでも、家全体のことが徐々に理解できるようになりました。昨日は風のことを書きましたので、今日は、その続きの「光があふれている」ことについて述べることにしましょう。
何度も述べてきたことですが、ここは「日本の地中海」ですから、陽射しがちがいます。
住みなれてきた瀬戸内海とは異なり、陽射しがより強く、それに照らされた自然がより鮮やかに見え、何か安心を覚える陽射しなのです。
この地で生まれ育ったからでしょうか、この光に「懐かしい心の安らぎ」を感じてしまうのです。この光のなかで、「私が帰るところは、ここだったのだ!」と思っていました。
屋外にリビングがある家には、この光が毎日射しこんできます。
その光を存分に味わうことができるのが、広い中庭なのです。
朝起きると、東、北、そして南のドアの三方向から明るくなります。太陽は東から昇りますが、この方向には竹藪があり、それを超えないと光が差し込んできません。
今だと7時前ごろでしょうか、竹藪にさえぎられていたお日様が、南側の事務所の屋根の上越えて射しこんできます。
まず、最初に明るくなるのが台所のキッチンの上です。家内がいうには、この射しこみで日光による乾燥と消毒ができるというのです。
それから、徐々に日が昇り始めると、食卓やリビング、そして仏壇に光が差し込み、ここがまるで光溢れる空間になっていきます。
さらに、その光は中庭にも注がれ、それがタイルや壁に反射して、ここに地中海のようなイタリア風の建築空間が形成されていくのです。
リビングからは、桜の床板、高さ220cmのガラスドアが8枚、中庭の白っぽいベージュ色のタイルの空間が50㎡、そして、会社事務所の白い「そとん壁」、これらに、九州の力強い太陽光が射しこんできて、ここに「光があふれる」のです。
しかも、この光あふれる空間は、時々刻々と変化していき、それに応じてタイルもそとん壁の色も微妙に変化していきますので、ここはまるで光のショー空間のように感じてしまいます。
午後からは、この中庭に影ができ始め、そこが寛ぎのスペースになります。これから熱くなっても、この影の部分で休めば、ここが寛ぎの空間として提供されるのではないかと思っています。
そして、夕方の西陽はまったく射しこまず、中庭では影の部分が大半になって寛ぎ空間が広がっていきます。
いつでも好きな時に、リビングや書斎から、この中庭に降りることができますし、それが8つのドアから可能になっています。まさに、「どこでもドア」がここにあります。
これから、この中庭は緑の植物が置かれ、育つ空間となっていきます。この光あふれる庭は、どのように変身していくのでしょうか。
多彩な光のなかで、そのことを考えていきたいと思っています。
つづく
朝日が射しこんできた中庭
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