本日の大分合同新聞の1面に,次のような見出しの記事が出ていました.
「県人口107万人に,高齢化率は35.6%,2030年推計」
これを見て,
「やはり,そうか.これは大変なことになるな!先日も,ある自治体のトップが危機感を抱いていたが,このことだったのだな・・・・」
と思いました.
現在の大分県の人口は119万人,それが2030年には12万人減って107万人になるという推計が,大銀経済研究所から発表されました.
この記事には,人口減の経年変化も記載されており,とくに深刻だと思ったのは,2015年あたりから急速に人口が減り始めることであり,おそらく,次の10年,すなわち2040年には100万人を切る恐れが出てきていることでした.
これは,現在の人口減少率1.1%が,2030年までに3.5%にまで増加し,さらに,その次の10年までには約5%にまで伸びてしまうことを意味します.
わかりやすくいえば,これから毎年2~3万人が減少し,やがてそれが5万人以上にまで増加する恐れがあるということです.
これに続く,同新聞5面の記事には,
「『超高齢化社会』現実に,『65歳以上』姫島村69%,竹田市など3市町村も半数超す」
という「見出し」がありました.
この記事のなかで,各市町村における人口推計に関する分析がなされています.
これによれば,人口が増えるのは大分市と日出町のみで,残りのすべての市町村では人口減となっています.
そこで,記事にある各市町村ごとの人口推計をもとにして,2010年から2030年の間で,その人口減少率を求め,その減少率が大きい順に並べ直してみました.
①姫島村 58.8% 高齢化率予測 69% 少人口数順位:1位
②竹田市 66.7% 高齢化率予測 55.2% 少人口数順位:6位
③津久見市 67.6% 高齢化率予測 50.0% 少人口数順位:4位
④玖珠町 70.1% 小人口数順位:3位
⑤九重町 72.5% 高齢化率予測 50.7% 少人口数順位:2位
⑥国東市 74.3% 少人口数順位:8位
⑦豊後大野市 74.9% 少人口数順位:11位
⑧佐伯市 76.2% 少人口数順位:15位
⑨臼杵市 76.8% 少人口数順位:12位
⑩日田市 77.2% 少人口数順位:14位
⑪杵築市 77.6% 少人口数順位:9位
⑫豊後高田市 78.3% 少人口数順位:5位
⑬宇佐市 83.5% 少人口数順位:13位
⑭由布市 86.4% 少人口数順位:10位
⑮別府市 89.6% 少人口数順位:17位
⑯中津市 94.7% 少人口数順位:16位
これらの数字からも明らかなように,今後20年弱で2~4割以上もの人口減少を発生させる自治体が約7割にも達しています.
これは,国全体では,東京,大阪など大都市へ,そして大分県では大分市へと二重の過疎過密現象が進み,より深刻になっているという構造的特徴を示しています.
人口が少ない自治体ほど,その人口減少が顕著に進んでおり,大分市周辺以外は,急速な人口減少が起きていています.
さらに,本記事は,2030年においては,以下の年齢別人口の予測を示しています.
75歳以上 24万5000人 22.8%(人口全体における比率)
15歳~65歳 生産年齢 57万5000人
(2010年の生産年齢人口は,71万7000人であることから,19.5%の減となる)
0歳~14歳 10.8%
この数字からも明らかなように,高齢者が急増して,生産年齢以下の人口が急減するという「超高齢化社会」がすぐにやってこようとしているのです.
こうなると,ますます,高校生,高専生,大学生のほとんどは,都会へ,都会へと就職し,人口流出がとめどもなく進んでいくことが容易に予想できます.
これで活力ある,若者にとって働きがいのある県,自治体といえるでしょうか.この深刻さは,当然のことながら,本記事内の自治体関係者や有識者からも指摘されています.
つづく
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