昨日の大分合同新聞記事に関するコメントの続きです.

この近未来における「超高齢化社会」の到来に対して,大分県企画振興部のS部長からは,「少子化で働き盛りの世代が減れば経済活動の縮小を招き,消防団をはじめ集落機能の存続すら困難になる.市町村だけでなく,県も民間企業も含めた総力戦で対策に取り組むしかない」という意見が寄せられています.

また,大分大学経済学部O教授からは,「かつてない超高齢化社会で行政には医療,介護保険,福祉といった財政支出を伴う負担がのし掛かる」という重要な指摘がなされ,自治体運営では,予算を効率的に使うための「事業の選択と集中」の推進と行財政改革の徹底,農山村が存続するために収益が上がる産業を確立することが急務であることが強調されています.

さらに,大銀経済研究所のT本部長は,「さまざまな要因により.人口の減少幅は推計をさらに上回る可能性もある.確実にやって来る超高齢化社会を前に,社会保障制度や雇用形態の見直しなど,現役世代が今のうちにすべきことは何なのか,真剣に議論しなければならない」と述べています.

これらの自治体担当者,識者の声のなかから,そのキーワードを探しますと,「総力戦」,「農山村において収益が上がる産業の確立」,「現役世代の真剣な議論が必要」の3つが指摘できます.

人口の動態は,人々の生活と産業活動の結果を表わしています.

確実にやって来る人口減少,すなわち,75歳以上の高齢者が急増し,65歳以下の生産年齢者と子供が急減することを特徴とする「超高齢化社会」の出現を目前にし,「総力戦」で,「現役世代」と,とりわけ,自治体のトップと幹部のみなさんが,一緒になって真剣に議論し,必要な対策を,可能なところから,すぐに講じていくことが求められています.

その際,とくに重要な視点が,次の3つです.

①「超高齢化社会」の到来を恐れず,むしろ「歓迎」しては,どうでしょうか.この逆転の発想が可能になるのは,これから急増する高齢者が主役の一つの部隊として成り立つ社会を新たに創造することにあります.

高齢者は,若者と比較して,体力こそ劣りますが,知力や経験においては若者以上のものを兼ね備えています.

この知力と経験を最高度の水準で生かし,高齢者が元気で十分に活躍できる方策が重要になります.

これには,1)高齢者を元気にすること,2)元気になった高齢者が活躍できる知恵と場を生み出すこと,3)それらが社会貢献に結びつくことの「3段階」があるように思います.

全国的にも,2)と3)については,さまざまな先進事例がありますが,1)については,特殊な場合を除いて,なかなか注目される事例は多くありません.

周知のように,高齢者は,体力が衰え,病気がちで,自分を支えるので精いっぱい,それも,歳を重ねるごとに,その衰えが山を下るように顕著になってしまう,これが,どこでも起こっていることです.

この衰えをどこかで食い止め,その流れの向きを変えることが重要であり,そのことを高齢者自身が自覚し,自信を持てるようにしていく必要があります.

この「元気高齢者づくり」をみごとに実践しているのが,長野県阿智村です.村営の入浴施設のマイクロバブル温泉入浴において,70歳以上の村民を無料にしたことで,それが実現されることになりました.

私,マイクロバブル博士は,このマイクロバブル温泉に何度も足を運び,自分の目で元気になった村民のみなさんを観察し,話をしてきましたので,これは非常にわかりやすく,説得力のある事例となりました.

つづく

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