お元気で,ご活躍のここと拝察しています.その後,お変りはないでしょうか.先生のことですから,相変わらず,教育研究の最前線に立たれて,ご奮闘なされているのでしょうね.

どうか,ご自愛のほど,よろしくお願いいたします.

さて,昨夜は,1994年3月に出された『私たちの高専改革プラン(最終報告)』という合計32ページの文書を一気に読ませていただきました.

今から20年前のことですが,私も40歳そこそこで,このプロジェクトに参加させていただきましたので,そのときのことを懐かしく思い出すことができました.

このプランは,その前年に同プロジェクトによって『中間報告』が出され,それを発展させたのが,この「最終報告」でした.

しかし,この最終報告に至るまでには重要な問題がありました.それは,『中間報告』段階では,プロジェクトの委員が個別に論文を書いていて,それらを最終報告では,統一見解に基づく文書に仕上げる必要がありました.

その作業をだれが行うのか,そして,それらの総合を踏まえて,第4章の「高専の未来ーそのかぎりない発展を求めてー」を,どう書くか,なかでも,有効で先見的な提言をつくりあげるかなど,重要な問題がかなり残されていました.

プロジェクトの内外では,このままいけば,最終報告をまとめることはできないのではないかという意見すら聞こえてきていました.

さて,どうするか? ここが思案のしどころでしたが,それを総合的にまとめて,提言にまで発展させてみようか,このような思いが湧いてきました.

早速,プロジェクト内の了解を得て,全面書き直しての体系化,理論の整合化と強化,そして,上述の第4章の草案づくりと向かいました.

この間,このまとめと草案を踏まえての,プロジェクト内の議論を深めることで英知が幾重にも注ぎ込まれた結果,この歴史的文書が堂々とできあがることになりました.

ところで,私が,この文書のことをいきなり紹介させていただいたことを奇異に感じたのではないでしょうか(本ブログの読者のみなさまにとってはますます奇異なことではないかと思われます).

じつは,今の私は,「高専50年問題」を振り返って研究しており,その過程で,この文書を読み返すことにしました.

この文書では「高専の30年」を振り返っていますので,あれから20年が経過した今日において重要な参考資料になるのではないかと思っていました.

そこで,昨夜,本文書を文書箱に大切に保管していたことを思い出し,それを読み始め,改めて,これはすばらしい内容だと感激し,最後には,マイクロバブル入浴のなかで,ここちよく読了したというわけでした.

よい文書には余韻がある,先日も,『世に棲む日日』を読み終えたときに書いたことですが,これに続いてそれが生まれてきていました.

おまけに,頭が整理されてすっきりしてきたのですから,その余韻は気力の充実にも結びついていきました.

「もしかして,これでようやく『高専50年問題』の研究が進展し,最初の『論文化』が可能になるかもしれない」

こう考えられるようになり,なんだか少々嬉しくなってしまいました.英知を糧にすることができるのですね.

この主題の重要性については,X&Y先生であれば,すぐに認識していただけると思います(しかし,ブログの読者のみなさまにはどうかな?と,少々心配になってきます.でも,これはとても重要なことなのです).

すでに,ご存知のことかもしれませんが,4月9日に,わが国にとっては,「国家戦略会議」という重要な会議が開催されました.

そのなかで,民間議員5名の連名による文書が提出されました.それには,技術イノベーションを起こすことができる人材育成の重要性が指摘されています.

そのために,今後大学は,統合再編し,高専が成長産業に対応して逆に増設する必要があるという提示がなされたのです.

大学の再編統合については慎重な対応が必要ですが,高専の増設については,私が,この20年来追究してきたことであり,昨今の産業構造の変化,とりわけ電気産業の低迷,産業競争力の低下などを考慮すると,これはある意味で(見地の違いはあっても),当然の提示ということができます.

X&Y先生,これは「重要な何か」において本質的な変化が起こり始めた最初の「のろし」になるかもしれません.

高専にとっては,50年目にして初めての出来事であり,いよいよ表舞台に登場する可能性が生まれてきたことを意味しますが,先生方は,どのようにお考えでしょうか.

事の本質は,わが国における技術者教育政策の基本に関わることです.戦略会議の議長である野田首相は,この文書の内容についてすぐに検討するようにと文部科学大臣に指示したと報道されています.

これは,わが国の今後の成長における要の問題になっていきますので,そのことをしっかり研究していくことが重要ですね.

つづく