X先生,お忙しい中,早速,ご返事をいただきありがとうございます.また,先に送付した論文原稿にも目を通していただき感謝申し上げます.

この論文化は,以前に先生から勧められた経緯もあり,少し時間的余裕が生まれてきましたので,丁度タイミング良く文章化する機会に恵まれました.

やはり,自転車操業のように多忙の中では,このような論文には取り組めなかったことが改めてよく理解することができました.

それから,こうして高専を退官し,離れることで,それを客観的に観れるようになったことも重要なことのように思われます.

だれしも,実際の仕事や置かれている環境の影響を受けることで,その実感,実体験が可能になります.

しかし,一方で,それらに縛られ,その制約下で物を考え,行動をしてしまうようになりますので,そこには,ある意味で,かなりの限界があるのではなかとも思っています.

自分が勤めていた職場とはいえ,その50年を俯瞰して考えてみることはなかなかできないことでしたし,ましてや,そこから本質的な問題や課題を解明することは,さらに困難なことであったと,正直にいえば反省すること多し,という具合です.

具体的な内容については,先生も御存知ないようなことも少なからずあったようで,それらをきちんと示すことは,古手の役割でしょうか.ご期待に沿うように,続編の後半部分も書き終えなければなりませんね.

それから先輩のY先生,共に体験してきた部分がかなりありましたので,臨場感のある感想と適切なコメントをいただき,真にありがとうございました.

ご指摘いただいた点は,後半の部分できちんと検討し,その充実化を図らせていただきます.

ところで,この検討をしているうちに,高専の50年は,前半の30年と後半の20年で大きく変化していることが判明しました.

どうやら,長年仕事をしてきた職場でありながら,そのことをしっかりと考察していなかったからでしょうか.ようやく,その重大性に気付いた,これが正直な思いです.

それは,高専教員自らが,そこにおける教育研究の問題解決に積極的に取り組み,そのいくつもの本質的課題を本格的に探究し始めたことにあります.

これが,いろいろと困難が多い中で,徐々に花開き,そして結実化に向かいつつある,これがこの高専20年だったのではないか,そのように理解できるようになりました.

詳しくは,論文のなかで記述させていただきますが,みなさんが苦労してきたことが,徐々に克服されて発展し,自然に普通のことになっていく,これが歴史の出来事なのですね.

ところで,貴方のDVD収集癖は相変わらずでしょうか.どうやら,その癖が私にも伝搬してきたようで,現在は,念願のシャーロック・ホームズの冒険物語(24巻)を手に入れました.

これは昔の映画にしては非常によくできていて,思わず,ひきずり込まれてしまいます.ホームズの科学的実証力,これが見応え十分で,いつも,このように観察力と想像力を豊かにしたいと思っています.

ホームズとワトソン博士のコンビも抜群です.推理と問題解決が,この二人の絆となっています.

つづく