大分県国東に来て4カ月が過ぎようとしています。こちらに来るまでに持ち越してきた仕事もようやく、その大半をこなすことができて、その意味ではすこしほっとしています。

その間、気候は春から夏に変化してきました。ここは南国、日本の地中海と呼ばれる地域ですから、暑い陽射しと緑が溢れるところです。

そして、常に鳥が鳴き、ここちよい風が海からと山からの両方から吹いてきます。

おまけに、魚や野菜が新鮮で安く、食生活がまるっきり変わってしまいました。

朝は時々散歩に出かけ、心身の疲労を回復することに精を出してきました。

先日来、初めて長い間ブログ更新ができなくなり申し訳ありませんでしたが、それも、こちらの生活になれてきたこともあり、おかげで、原稿執筆に集中させていただいて、合計で4万字を超える書き物をしてしまいました。

これは、高専の50年を振り返って考えてみることをテーマにしたものでしたが、これで、私なりの区切りができたような気分になりました。

やはり、じっくりと時間をかけて考察することが大切であることを再認識させていただいたしだいです。

さて、こちらに来て、重要な位置づけをした事業があります。それは、マイクロバブル技術を地域に根ざすようにすることです。

これまでは、ピンポイントで、要望を受けたところで、それをこなすことを徹底してきましたが、この方式をもっと発展させて、地域にじっくり根を下ろして、地域そのものを発展させながら、同時に技術の定着も図るという新しい試みです。

大分県は、かつては日本でも有数の水産県でしたが、それがいろいろな困難に出会い、衰退し始めています。

とくに、名物の車エビやヒラメが取れなくなり、そして養殖も難しくなってきています。おまけに価格も下がり、ますます景気が悪くなってきています。

さらに、農業、林業分野でも、なかなか良い方向には発展していません。さらに高齢者社会が急激に進行し、大分市や日出市を除いてほとんどの市町村で、それこそつるべ落としに高齢化社会が進んで、超高齢化の波が押し寄せてくるようです。

この国東から、徐々に足を伸ばし、大分、津久見、佐伯の各市を訪れ、マイクロバブルの普及を図っています。

犬も歩けば棒に当たる、ということわざではありませんが、みなさん、マイクロバブルのことに興味を示していただき、好意的に受け留めていただいております。

先日は、神奈川県の方が訪問され、自分が関心を持っているある物件で、わざわざ大分県のある都市まで出かけられ、マイクロバブルの紹介を先方にしていただいたそうです。

そして、その足で、㈱ナノプラネット研究所にも来られ、その話を紹介してくださいました。

そこで、今度は、私どもが、そこに出かけ、社長さんとじっくり話をし、実験も行ってきました。

その社長さんいわく、このような進んだ技術がないと、すぐに負けてしまう、先を見こして備えていくことが大切ですといわれ、マイクロバブルについて非常に興味を示されていました。

また、私どもは計測装置を持参し、そこでの計測で問題点を率直に指摘させていただきました。もちろん、その指摘を喜ばれていました。

このようにして、地域に根ざして共同の事業や研究を行う、その基盤形成が始まった、それが、この2、3カ月の特徴ともいえます。

また、そのように地域に入って、その現実を知ってみると、地域の持つ深刻さと、それを何とか克服して発展させていく可能性の両方を知ることになり、この仕事が非常に重要であることをますます理解するようになりました。

国東の夏は、地域に根ざした事業を始めた夏として、これから印象に残っていくようになるかもしれませんね。

つづく