日本高専学会年会2日目の最後は、昨日に続いて50年を経過した高専と高専教育の議論が深められました。
なかでも、木更津高専の山下哲ほか2名のご講演が注目を集めました。
これは、東日本大震災の教訓を踏まえて新たな教養教育の在り方を探求しようとするもので、このような本質的問題を究明しようとする研究がようやく出現したことには小さくない意味があるように思われました。
この講演内容に関する質疑応答もかなりあり、盛り上がりましたが、なにせ、5分の討論時間しかなく、途中で時間切れとなり惜しい終わり方になってしまいました。
この端緒が、今後の粘り強い努力で体系化に向かい、実践的にも試されるようになるとよいなと思いました。
また、和歌山高専の藤本晶先生のご講演も体系的で非常に興味深い内容がいくつも示されていました。
二日間全体としては、高専50年問題の解明については、その端緒的な議論がなされ、その糸口が見いだされたように思いますが、これをより深く追求していくことが重要であるように思いました。
高専は、さまざまな根深い構造的問題を抱えており、それゆえに、良心的でまじめな教職員が、それらの問題と格闘することになり、それが苦労の種にはなるのですが、その反面やりがいのあることにも通じていくという重要な側面もあります。
私も、最近の「高専50年問題」の研究から学ぶことができました。
外部からの高専に対する期待は、ますます膨らんできていますので、それに真正面から応えていく必要があるいますね。
以上のように、今度の学会では、いくつかの重要な端緒が切り拓かれていることが明らかになりました。
名張市での学会を終え、近鉄に乗って名古屋へ向かいました。また、名古屋からは、ひかりに乗って静岡へ、そして身延線の特急富士川で南甲府へと足を伸ばしました。
甲府には、例のしらたまちゃんがいますので、彼に会うとなるとなぜか疲れが吹っ飛んでしまいますので、不思議ですね。
静岡からは約2時間かけて南甲府につきました。ここで降りると、今時珍しく、プラットホームが下って、改札口へは歩いて線路を横切るようになっていました。
これは珍しい、とその様子を眺めていたら、大きな声が聞こえてきました。
「じい、じいちゃん」
これが何回も聞こえてきましたので、その声の主の方を見やると、改札口の手すりに手をかけて叫んでいるしらたまちゃんの姿がありました。
いつもは「じいちゃん」だったのが、いつのまにか、「じい、じいちゃん」に変わっていました。
明日は仙台に行く用事があり、束の間の安らぎの夜の一時となりました。
つづく
ブーゲンビリア、筆者撮影。
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