こちらにきてから,徐々に「研究拠点づくり」の輪が広がり始めました.
この2週間は申請書づくりに没頭してきました.ようやく,それを済ませ,やや心のゆとりが出てきたせいでしょうか.
ここ向陽台のグリーンフォートハウスにおいても,いくつかの実験的研究を開始しました.
そのひとつが,自前の植物工場(?)です.
夏の間は,その環境条件が悪過ぎて無理,あるいは無謀ではないかとさえ思っていました.
それを乗り越え,何事も自前でやらなければ実際に少しも進まない,他人が行うのを見て評価するだけではおもしろくない,このように思うようになりました.
この意識の変化は,先に紹介した「タコ飯」に関する共同研究に端を発しています.
そこから重要な何かが開眼しつつあるのでしょうか.徐々に,前向きの実践性が出てきたようです.これもK1さんのおかげです.
まずは,小さな水槽(長さ120㎝,幅40cm,深さ30cm程度)で野菜を育ててみることにしました.
もちろん,マイクロバブル技術を用いてのミニミニプラントの植物工場(?)というわけです.
そこで,杵築にいったついでに苗を買うことにしました.杵築市役所がある目抜き通りに面した店で,その苗を買いました.
ここは,あまりよく売れていないようで,先日見た苗が,そのまま残っていました.
店主が,「いらっしゃいませ」と元気よく声をかけてきましたので,その勢いに押されて,苗を買うことになりました.
(国東の隣町,杵築市のメイン通り,筆者撮影)
その中から,7種類の苗を1本ずつを購入しました.
これをマイクロバブル水槽に浮かべて育てようという「大それた」目論見なのです.
水槽の水の上に発砲水ロールの板を浮かべ,そこに苗を差しただけですから簡単そのものです.この程度で育つかどうか,その試験を行うことから始めようというものです.
これで,マイクロバブルがどこまで活躍してくれるのか,それを初歩的な実験として試させていただきます.
もちろん,これからいろいろな方式で試行錯誤を繰り返しながら,最適の方法を見出していきます.もちろん,マイクロバブルの植物活性効果を研究することがメインの目的です.
むずかしいことをやさしく,そしておもしろく,やっていこうと思っています.
さて,このところ,植物工場に関する問い合わせがいくつかありました.どこも,なかなか大変なようで,それが採算性に結びつくかどうかで悪戦苦闘しているようです.
この問題を真正面からブレイクスルーしていく必要があります.
研究のための研究ではなく,そして,何かのモデル研究のための試験でもなく,要するに,十分に採算性が確保できて,その工場が成り立つものでなければ本格的な発展には至らないのではないかと思っています.
その知恵と工夫が求められているのではないでしょうか.
このミニミニプラントの実験から,その問題を解決できるヒントを得ることができるとよいですね.
つづく
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こちらに来てから、どうしても挑戦したかった主題の一つです。この地域は、ほとんど農業と漁業で成り立っていますので、これを自分で実験して経験を重ねることが大切だと思ってきました。野菜がどこまで育つか、試してみたいと思います。
ご指摘の通りで、大変難しい経営をなされていると拝察します。私の聞くところによれば、特殊な野菜で、しかも小規模でしか成り立たない、これが植物工場の現状ではないでしょうか。この問題を解決するには、より高く売れる野菜を育てるか、逆に大規模化することでスケールメリット発揮し、経費削減ができて採算性を上げるか、この2つの方法が有効だと思います。しかし、これらの方法を実現するには、解決すべき問題が少なくないように思います。
現状を10倍くらい効率よくする新技術が開発される必要があるように思われます。そのような思いで取り組む予定です。
そうだったですね。今度は、腰を落ち着けて、さまざまなトライをしてみようと思っています。この拠点をどう活用するか、これが重要です。本日も苗を買いに行って、育てる苗の数を増やします。現在1本ずつですが、8種類の苗を植え付けました。