あの「荒城の月」で有名な大分県竹田市の湧水が届きました。

かねてより、この水が美味しいといわれていましたので、それを味わってみたいと思っていました。

大分県には、すばらしい湧水群がいくつもあり、この地域資源を、いかに有効に、可能であれば最高度に活かすかについて考えを重ね、その実験的検証も行ってきました。

まず、最初は、杵築市山香町の「水の口湧水」でした。国東半島の付け根のあたりにある山香町は自然に恵まれており、高くはありませんが、数々の山々に囲まれたところです。

その半島の付け根の部分に南から北へと高速道路が通り、その速水インターを降りてすぐのところに水の口湧水がありました。

早速、この水を汲んで飲んでみました。

「かつては、非常によい水だったのに、最近は、少し硬さが出てきた」、これは、昔からこの水に慣れ親しんできたYさんの感想を耳にしていましたので、「あの硬いという表現は、このことだったのか」と思いました。

おそらく、この「硬さ」として表現されていた味は、近年の汚染や集中豪雨の影響を受けたのではないかと思いました。

また、この「硬さ」を味わったあとには、水の口湧水本来の柔らかさ、甘さがあり、やはり自然に囲まれた優れた湧水だけのことはあるなと思いました。

二番目は、日出町の山田湧水を研究しました。ここも山から水が湧きだしており、豊富な湧水量がありました。

しかし、周囲の山々は、そんなに広くはなく、水の口湧水を囲む山々と比較するとかなり小規模でした。

この湧水は、水の口湧水のように飲んですぐに感じる水の硬さがなく、その限りにおいてはより自然ですが、一方で柔らかさや甘さがそれほどなく、水としての味の深みが、水の口湧水ほどないように思われました。

第3は、両子寺の麓にある「走り水観音湧水」でした。ここは古き歴史のある両子寺と両子山の登山口にあり、ほとんど自然が残された山からの自然の湧水です。

柔らかくて、癖がなく、美味しい水でした。1年中湧水は絶えることなく湧いているそうで、修行僧たちが美味しく喉を潤したのではないでしょうか。

以上の3つの湧水を比較し、総合的には、走り水観音湧水が一番おいしいと判断させていただきました。

この経験を踏まえていますので、それから、大分県以外での名水や美味しい水の味も経験していますので、この竹田の水がどこに位置付られるのか、その初体験を楽しみにしていました。

竹田湧水群の水は、環境省の全国名水百選にも選ばれるほどですから、大分県でも有数の名水といえます。なかでも、一番湧水量が多いのが河宇田湧水群であり、古くから大勢の方々が水汲みに来られているそうです。

つづく