昴宿の旅
本日は、この日記を毎日楽しく読んでいますとの、うれしいメールが届きました。
ありがとうございます。
本「旅日記」を認めることにした目的は、日本社会に、マイクロバブルのファン、すなわち、よき理解者がたくさん輩出していただくことにあります。
それなしに、マイクロバブル技術の持続的発展はあり得ず、さらにはマイクロバブル社会やマイクロバブル文化の形成も実現しないからです。
その意味で、この旅日記は、長い「昴宿」の旅にふさわしい量と質、そして継続性が要求されています。
読者の皆様におかれましては、どうか、気長のお付き合いをよろしくお願いいたします。
また、この日記でお気に入りの内容がありましたら、どうかお近くの方にも、ご紹介していただければ真に幸いです。
ダム湖の水質改善
今日は、朝からY県のあるダム湖に出かけました。
このダム湖の水質浄化を行うために、その水質調査と装置の組み立てを現地で行いました。
このところ、あまり雨が降らず、気温も上昇してきましたので、ダム湖は緑色を増していました。植物プランクトンがより増殖したことによる湖水色の変化の結果でした。
ダム湖における植物プランクトンは、水温の上昇のほかに、栄養塩(窒素、リンなど)の流入、酸素と光によって大量に発生します。
その処理は、
1)非常に小さいこと、
2)大量に増殖し続けること、
3)一定の生息時間を過ぎると死滅し、湖底に沈降する
などの困難があるために、これまでに有効な方法が見出されていません。
とくに、3)の問題は、それが湖底に大量に堆積して無酸素水域を形成させることから、ダム湖水の水質を最大限に悪化させてしまうことになります。
この無酸素水域の形成は、大量の植物プランクトンの死骸が腐敗する過程で起こりますが、これに伴って各種金属イオンが溶出し、さらにダム湖水が悪化するという事態が進行してしまいます。
本日の観測結果からも、その無酸素水域の形成が認められましたが、それは湖底から約4mの範囲で形成されており、5月にしては、比較的大規模な無酸素水域の形成が明らかとなりました。
ざっと見渡しても、150m×200m×4mの容量の水が無酸素化していることになります。
本研究の目的は、マイクロバブル技術を用いて、この大規模無酸素水域を解消し、ダム湖の水質浄化を実現することにあります。
本ダム湖は、比較的小規模であることから、それにふさわしい、従来よりも小型の装置を開発し、それを可能な限り、人力で簡単に設置できることを目指したことにも、その特色があります。
その結果、マイクロバブル発生装置6機と水中ポンプ1台をセットにした装置の長さを90cm×50m、重量を13.8kgとすることができました。このセットを3基合体させて1m四方の板の上に取り付けました。
総重量は、約55kg、二人で持ち運べる総重量とサイズになりました。これで、これまでよりも格段に小型の装置が完成しました。
来週は、この装置をダム湖底まで搬送し、運転を開始する予定です。
以上のように、本日は、水質調査と装置組み立てを行うことで一日が過ぎました。
私にとっては久しぶりの野外作業、身体と頭を現場で動かすことは、とても健康によく、すがすがしい一時を過ごすことができました。
また、ダム湖面には、「ここちよい」涼しい風が吹いていました。来週から、マイクロバブル発生装置が稼働し始めると、水がもっと良くなりますので、その水面を風が、きっと、さわやかに渡っていくことでしょう(つづく)。
マイクロバブル技術の樹状図
コメント