記念すべき「ブレイクスルー技術研究所阿智」の開所式の前日、2つのちょっと

   した出来事がありました。その一つは、記者会見とブレイクスルー技術研究所と阿

   智村の協定書の締結式でした。 

   前者には、8つの新聞各紙と1つのテレビ局がきて、会場は当方のメンバーを含め

て満員となり、大変盛り上がりました。どうも記者のなかには、聞きなれない

「○○研究所」との締結ということで、「いったい、それは何なのか?」と、ずい

ぶん怪しげに映ったようでした。そういえば、長野県ではいろいろなことがあった

ことを思い出しました。

  これは、私どものメンバーに、後になって、その時の感想を聞いたのですが、そ

の怪しさに輪を加えて、私が壮大な構想を滔々と述べたので、記者さんは、ますま

す「怪しい」という思いを深めたとようでした。ところが、次の質疑応答から、そ

れが全く逆になったとのことでした。そのやり取りを再現してみましょう。

「そのマイクロバブル装置というのは、いったい、どのくらいの費用で入れられる

  のですか?」(記者)

「いろいろなタイプがありますが、およそ2030万円前後というところでしょう

か」(大成)

    私の同僚は、ここで記者のほとんどが、「えっ!」と思ったと推測したようでし

  た。なぜなら、その金額は、私の少々オーバーな説明からすると、少なくとも数百

  万円~1000万円ぐらいして当然だと思わせるものだったというです。

  事は複雑ですね、私がいくら丁寧に説明しても信用されないのが、この現実的価

格を示すだけで、一挙に信用度を回復したというのですから、不思議なものです。

私としては、その話を信用していただいたのですから、真にありがたいことに違い

はありませんでした。

  それが証拠に、翌朝の各紙には、ブレイクスルー技術研究所阿智設立の件がでか

でかと報道されていました。信用されてよかったと思いました。

  よくよく考えてみれば、一度も聞いたことがない研究所名(これは、阿智村の方

  々が聞いたことがないだけでなく、日本中で、これまで誰も聞いたことがない研究

  所名ではあり、かれらが珍しがるのは無理もないことです)のもとに、「これから

  阿智村のために尽くします」といっても、そう簡単には理解されない、信用されな

  い、これが普通のことであり、常識といえます。

  ところが私たちは、その意味で、あまりにも「非常識の研究所」を持ち込んだよ

うでした。それでも、本音は、「派手な記事を書いていただいて、やれやれ」とい

  う思いで、「よかったな」という思いが湧いてきました。
 
  2つ目は、その記者会見の夜に開催した「みんなで光マイクロバブルを観る会」で


  大騒ぎしたことでした。その会場は、阿智村村営の「湯ったりーな昼神」の露天風

  呂、ここにマイクロバブル発生装置が配備されています。

  この温泉水とマイクロバブルの物理化学的相性がとてもよく、温泉水量の割にマ

イクロバブル発生装置が十分な数だけ設置されているので、マイクロバブルの発生

濃度が高く、即効的な作用が起こりやすいことなど、注目すべき結果が次々に発生

しています(詳しくは、前掲の「5つの『ここちよさ』」を参照)。

  この「観る会」の開始時刻を夜の8時としましたが、この時間帯では、まだ一般湯

治客がたくさん入っているので、館内の電灯を消して暗くすることができないとい

う事前の連絡を受けていました。ここで、さあ、どう知恵を絞るか、同じ研究所員

W先生と一緒に、その対策を講じることにしました。

  周りは電灯で明るく照らされている、その露天風呂で、「暗闇」でないと観えな

い光マイクロバブルを素人のみなさんに、いかに簡単に観ていただくか、この課題

を「ブレイクスルー」する、この必要性に迫られたわけです。

  そこで、第1案は、「黒い下敷きで観る」でした。自宅の風呂で試してみました

が、単に下敷きを入れただけでは観えませんでした。そこで、その下敷きを丸めて

周りの光を遮断してみましたが、これもダメでした。下部から光が入るからで、そ

こで、この光の侵入を手で遮断すると、すべてが暗くなり、どうにか観えるように

なりました。

  第2案は、黒い筒型の容器でした。まず、小型の良さそうな装置を100円ショップ

で探すのに苦労しました。結局、粘りに粘って、くまなく探しまわり、最後に見つ

けたのが、缶ボトル入れで、丁度2つのセットものがありました。これで試しました

が、この容器が浅く容量が小さかったために、光マイクロバブルは、第1案ほどうま

く見えませんでした。しかし、これも何とかクリア、2つ目の道具が揃いました。

  第3案は、10倍の虫眼鏡の採用でした。しかし、これのみでは、暗くできないため

に最後まで見えずじまいでした。それでも、観えないのもおもしろいということ

で、これも採用、持参することになりました。

  第4案は、大きな暗幕を持参し、それを被って観ることでした。

  結果は、この第4案が最も効果的で、続いて第1案、第2案の順でした。さて、その

  本番では、「観える」、「観えない」の度に大爆笑が連続して起こり、じつに楽し

  い露天風呂の一時を過ごすことができました。

  そして、この結果には、非常に「重要な何か」がいくつも含まれていたのでし

た。