山根さんの植物工場


 山根さんの方式による野菜作りは、水耕栽培を基本としています。


 その兵庫県姫路市にある野菜工場の現場を訪れたことがありますが、それは、じつに壮大なものでした。


 長さ130m、幅1mの水路が、横に約20レーン、その半分は、二階、三階の構造になっており、その様は、まるで野菜に囲まれているような気がしました。


 さて、その水耕栽培ですが、その研究の草分けは、高知大学農学部だと聞いたことがあります。


 そこから端を発したのでしょうか、いまや、たくさんの事例が生まれていることは、みなさん周知のことと思われます。


 この水耕栽培の利点は、水の流動性によって均一に液体肥料を分散化し、どこまでも運搬できることにあります。


    これに対し、土壌にはムラがあり、それを解消して均一に肥料を施すには、耕すことが必要になります。


 そのために大変な労力も払われてきました。


 しかし、一方で水耕栽培には、大きな弱点がありました。


 野菜を成長させるには、その分だけ肥料が必要となりますが、それを水に入れると、水質が悪化し、水が腐ってしまいます。


 そして最後には野菜も根腐れしてしまうか、その手前の成長不足、味の劣化が起こります。

 また、少し大味で水っぽいという批判も一部にありました。


 長野県安曇野のワサビも水耕栽培の典型的な成功例ですが、ここには、こんこんと湧き出る水があり、その水の流動によって根腐れを防止しています。


 山根さんは、この水耕栽培に20年余も取り組まれたそうですが、彼は、しみじみと次のように仰られていました。


 「最後に、大きな宿題として残ったのが、空気の問題でした。この課題をどうしても克服することができずにいたのですが、それを解決したのが光マイクロバブルでした」


 そこで、まずは、その結果である、光マイクロバブル野菜の特徴をおさらいしておきましょう。


光マイクロバブル野菜の特徴


 これらには、もちろん、私の主観も含まれています。


 ①とにかく、感激するほどの味であり、子供のころに田舎で食べた味を思い出させる。

 

 その味とは、柔らかいが、シャキシャキした新鮮な食感を伴う。

 

 野菜本来の味がし、甘味がある。その野菜を汁にするだけで最高の味となる。


 ②成長率が抜群で、葉の色が濃い。


 光合成が盛んに行われている証拠と考えられる。


 とくに根の成長がよく、色は白い。


 ③新鮮さが長時間保持され、日持ちがよい。


 ④水槽内の水質がよくなる。


 たとえば、緑藻が多数発生していた水路において、それがなくなり、透明なきれいな水と水路に変化する。


 ⑤少々の環境や条件変化にも対応して、たくましく成長することができる。これは、カキやホタテ、アコヤガイの事例とよく似ている。


 これらのうち、①~③は相互に密接な関連がありそうですし、④と⑤も、その原因解明の重要な手がかりになりそうです。


大葉対
大葉