少し前の話になりますが、ある食品会社の開発担当の方から相談を受けたことがあります。

それは葱(ネギ)の話でした。彼は、楽しそうに、こう尋ねてきました。

「先生、ネギのなかで、どこが一番栄養があると思われますか?」

さすがに、困って何も言えなかったのですが、それは、なんと根のすぐ上の部分でした。そう

であれば、みな切って捨てているところではありませんか。玉ねぎもそうかと聞くと、その通り

であるといわれました。

結局、根のすぐ上の栄養が一番多いところをマイクロバブルでさらに増やしたいとのことで

ありましたが、最終的には、いろいろな事情があり、この話は実現せず、この面白い話だけが

記憶に残りました。

そのときに、もう一つ重要な話を教わりました。今の野菜に含まれている栄養は、昔の野菜

のどれくらいに相当するかという問題でした。平均的にいえば、2割から3割というのですから、

今の人々は、昔の5倍ぐらい食べないと、昔と同じになれないという理屈になります。

これでは、丈夫に育てといっても、もともとから無理があります。数年前に北海道大学の新

入生の調査をなされた結果を聞いたことがありますが、なんと、その8割がアレルギーだった

そうで、それを報告した方の結論は、人間は100年後に身体的理由で滅ぶというものでした。

食は身体づくりの基本ですが、これが脅かされると、さまざまな社会的問題が発生してきま

す。

近頃の教育的および社会的「いじめ」の問題、さらには毎日マスコミで報道されるヒトの殺傷

事件、これらの基礎には、食が脅かされ、それが身体や脳の何らかの機能障害を発生させて

いることが推測されます。

どうやら、マイクロバブル技術を利用して、その未来の身体づくりのために、農業と食の基本

から改善していかねばならない時代がきているように思われます。