4年前、VB(ベンチャービジネス会社)に設立に関して、出版社「宝島」のH社長に

お会いしたときに、「本気でやるんだったら人任せではできない。自前でやるべき

だ」といわれたことが耳に残っていたことにありました。

同時にマイクロバブルの持つスケールの大きさを考えると、どんなに大きな企業

であってもその枠をはるかに超えてしまうことに理解を及ぼすようになったからでも

ありました。

折りしも、日本経済新聞社のN記者から取材申し込みがありました。この方は、科

学部担当で、そのころは筑波の支局長をされていました。その直前に日経産業新

聞に「ナノバブル」に関する記事が掲載されましたが、その記事の補強役として私

がインタビューを受けました。丁度、あまり科学的検証がなされていない「ナノバブ

ル」が、どういうわけか話題となり、ある意味での「ナノバブル騒動」が起きかけたこ

ろでもありました。

その申出に、今度も電話取材かと思い、前回のような立場からの取材でしたら、

お断りしますと、きちんと返事をさせていただきました。ところが、さすがにベテラン

記者ですね。「そうではない、明日、飛行機で、徳山まで行くから、取材に応じるか」

とまでいってきたので、それならばしかたがない、面会に応じますと返事をしまし

た。

そして、その翌日、N記者とは徹底的に話し合いを行い、納得していただける取

材となりました。このときの重要な論点を以下に示します。

①「ナノバブル」という呼称が珍しがられているが、これが存在するかどうかの科

学的根拠や検証はまったく明らかにされていない。その状態で、あたかも、ナノバ

ブルに非常に重要な機能性や効果があると述べることには問題があり、いたずら

に社会を混乱させるだけである。

②私どもは、きちんと科学的に検証されているマイクロバブルについては、責任

ある見解を有し、それを学会や社会に発表している。また、そのマイクロバブルの

素晴らしい機能性を見出している。その機能性とは、生物活性作用であり、広島の

カキ、北海道のホタテ、三重のアコヤガイの養殖結果などにおいて、現場で実証済

みである。このように現場で確認されたものでなければ、本物の技術とはいえな

い。

この取材結果は、2004年6月27日付けの日本経済新聞のサイエンス欄にでかで

かと掲載されました。私が、さすがと思ったのは、この記事のなかで、マイクロバブ

ルという用語は使われていても、「ナノバブル」の用語は一つも使用されていなかっ

たことです。

また、その記事の冒頭で、「近い将来バブル景気が再来するかもしれない」と述

べられていたことにも注目しました。ご周知の「狂乱バブル」ではなく、マイクロバブ

ルバブルの「バブル」の方です。

この「近い将来」の実現がいつになるか、それは私に課せられた宿題でもあった

わけですが、そろそろ、その時がきたと思い始めています。