ある会社の社長さんが、犬を自分の子供のように可愛がっておれました。5匹の

犬とともに生活されていました。大きい犬ですので、風呂の中で身体を洗っていまし

た。

 そのお風呂に試験用のマイクロバブル発生装置が設置されましたが、その犬た

ちもマイクロバブル風呂に入るようになりました。

 とても、「ここちよい」表情を浮かべて、気持ちがよさそうだとのことでした。このう

ちの一匹が、年のせいでしょうか、歩けなくなったそうです。

 毎朝、公園に連れていっても、ただ、しゃがみ込んでいるだけの状態が続いてい

ました。これは、歩こうという意志もなくなっていることを意味していました。

 ところが、3回ほど、マイクロバブル風呂に入った後に、ドラマが起こりました。朝、

公園に連れていくと、すぐに歩き始めて、あの広い代々木公園を半周も歩いたので

す。

 飼い主の社長さんは、非常に驚くとともに、大変感激されたそうです。

 この話は、各地での講演で採用させていただきましたし、それを聞いたみなさんも

大変興味を持たれました。

 それは、「歩けない犬が、歩いてみようという意志を持たないかぎり、歩くことはな

い」という「常識」を誰もが知っているからです。

 この事実は、マイクロバブルの知覚神経刺激によって、その犬の脳内に、歩くの

だという意思を生み出させた可能性を示唆しており、重要です。

 私たちも、いろいろな心身の影響を受け、「今日は職場に行きたくない」と思われ

る日があります。そんな精神状態のときに、マイクロバブルのお風呂に入ると、不

思議なことに「気分前向き」になり、そのマイナス思考が消えてなくなってしまいま

す。

 このような気分になれたのは私だけでないようで、少なくない方が、そのプラス

思考が生み出されたことを語り始めます。

 おそらく、この犬も、それと同じ効果によって、再び歩き始めたのではないかと

思っています。

 その後の便りによれば、その犬は、いまだに歩き続けているようで、その再歩行

から2年以上が経過しました。残念ながら、それよりも若い犬のほうが先に亡くなら

れたそうです。

 この事実から、マイクロバブルの知覚神経刺激効果が、脳に及ぼす影響を詳しく

調べる課題が生まれました。しかし、この課題にどう取り組むか、それを考えると

その犬のように、歩行したくなくなる気分に陥りそうになってしまします。

 なぜなら、新たな分野の勉強を一から始めなければならないからで、その誘惑に

打ち勝つ勇気が必要になります。マイクロバブルで犬が再歩行できたのですから、

ヒトの私たちが、その再歩行ができないわけはないと自分に言い聞かせています。


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