入浴開始から10日目のKさんには、「もっと詳しく報告したい」ことがありました。

 その約2か月前、Kさんは、新しいゴムのウエットスーツを着て海に潜ったそうで

す。ところが、体調も良くなかったからでしょうか、全身に、そのゴムアレルギーの発

疹が出てきました。

 このグムアレルーギーの記憶をたどると、30年以上も前に、中国の砂漠でシルク

ロードの撮影のときに、汗にまみれて撮影をしていた時に、湿疹が出て以来のこと

でした。気温は高く40度もあり、カメラの電源コードを首に巻いて、汗だくだくになっ

ての撮影でした。

 このとき、いきなり首のまわりに、おびただしい発疹が出てきました。その後も、時

折、ゴムアレルギーが起こり、身体の一部に発疹が出てきましたが、薬をつけれ

ば、治まっていました。

 ところが、今回は、身体中に発疹が起き、その痒さも尋常ではなく、その一部がた

だれて見るにも耐えられない状態に陥っていました。

 このKさんとの再会は、この湿疹が出た時であり、そのひどさを私も目撃しました。

 Kさんは、祈るような思いでお風呂に入られたようです。以下、そのときの原文を

示します。

 「先ず、かゆみが一度になくなったのです。その後ただれた体の皮膚がだんだん

と乾いて行き、今日はほとんどその症状が無くなったのです。かなりつよいステロイ

ドの塗り薬を塗っていたのですがほとんど効果がありませんでした。ステロイドの副

作用を考え、マイクロバブル風呂に入る2~3日前から体に薬を塗るのを控えてい

ましたが、痒いやら、じめじめとただれるやらで不愉快な日を過ごしていました。

たったいまは普通の肌を全身取り戻し、もちろん薬を添付することなく快適になりま

した。そのほか効果は数限りなくあるのですが、今日はこの程度のご報告としま

す」

 ここで、例によって、重要なキーワードを抽出しましょう。

 ①一度に、かゆみがなくなった。

 ②強いステロイド軟膏を使用しても治らなかった。

 ③ただれた部分が乾燥して治った。

 私は、医者ではありませんので、素人的思考や判断しかできません。以下は、そ

れを踏まえての考察でしかないことを断っておきます。

 ①は、湿疹の発生が部分的なことに反し、身体全体が、その「かゆみ」をなくす方

向に働いたことを意味します。身体全体には、血液が循環しており、それが「かゆ

み」の解消となにか重要な関係を有していると考えられます。

 しかも、この事例においては、②のステロイドよりも有効に働いたことを示唆して

います。周知のように、マイクロバブルは水と空気しか使用していませんので、そ

の限りにおいては安全です。

 ③は、皮膚病が治るときの一般的傾向において認められる現象です。

 

 以上を考慮すると、この事例は、非常に重大な結果と示唆を得たことを意味しま

す。非常に重要な研究課題が、実践的に示されたといえます。また、このKさんの

事例は、私の体験ともよく類似していますので、次回は、それを紹介させていただ

きます。

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