Oさんは公務員の仕事をされています。それは、人々の営み

や生活のために奉仕することを本務としています。

Oさんも、この仕事が若いころから気に入り、いろいろな人々

と意欲的な取り組みをしてきました。また、そのために、自分

で一生懸命に勉強もしてきました。幼いころから本を読むのが

好きで、高校を卒業して大学に行きたかったのですが、家の

事情で自分の故郷に残ることになりました。

公務員は臨時雇いとして始まり、以来30数年余、数々の仕

事をこなすなかで、地域の人々からも小さくない信頼を得てき

ました。

しかし、仕事をしすぎたのでしょうか、いつしか身体を病魔が

むしばむようになりました。歳を重ねるごとに、健康を維持す

ることが重要な課題となっていました。

家に帰ると、奥さんが心配して、こういいました。

「あなたの仕事は大切ですが、それよりもあなたの健康の方

がもっと大切です」

こういわれる度に、その言葉が、ずしんと胸に響きました。

しかし、健康は依然として回復しなかったことから、奥さんの

言葉が、さらに胸に響くようになりました。

奥さんの心配は、自分の病気にも影響を与え、より深刻なも

のになっていきました。二人して病気になってしまったのです。

ともに、マイナスの作用が「負のサイクル」を形成し、それが

確固となっていきましたが、その度に、二人の夫婦喧嘩の回

数も増えていきました。

「そこまで、あなたがしなくてもよいのではないですか」

「そうはいかない。おれがやらなくて、だれがやるのか」

「しかし、身体を壊してまで」

こういわれると、いつもの、したくない喧嘩が始まるのでし

た。互いに後ろ向きの喧嘩が続いていました。


ある日、この夫婦の生活のなかにマイクロバブルが入ってき

ました。

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