「マイクロバブル人」、「マイクロバブル社会の形成」につい

て、いくつかの具体例を紹介させていただきながら、その考察

を進めてきました。この間、たくさんのコメントや個人的ご意見

をいただきありがとうございました。

  これらの連載を踏まえ、これから「マイクロバブルの原点」に

ついて書き進めることにしましょう。

 今のマイクロバブル発生装置(「超高速旋回式」と呼んでい

ます)が開発されたのは1995年です。

 それまでは、マイクロバブルの概念すらない状況で、外国に

おいても既往の研究はほとんどありませんでした。

 この装置を完成させた時に、まず考えたことは、その溶解効

率が高まることを利用して、気体を液体内に効率よく溶かすこ

とで技術的開発を行おうとしました。これが効率よくなされるよ

うになりますとさまざまな利点が生まれてきます。

 たとえば、下水処理では、たくさんの空気がエアレーションタ

ンクと呼ばれる水槽内に送り込まれています。大型の「ブロ

ア」と呼ばれる空気送風装置で、大量の空気が送り込まれて

います。ところが、この送付された空気の85%は、液体中に溶

け込まないことから、そのほとんどが空中へ発散しています。

 つまり、このブロアを動かすのは電気エネルギーですので、

その85%は空中に捨てざるを得ないという、まことに「もったい

ない」話と結びつきます。しかし、これが日本および世界の現

実です。

 この問題を解決するには、そこに送り込まれる気泡を可能な

限り小さくすることが望ましいのですが、いろいろな方が、その

解決を試みました。しかし、だれもそれを実現することができま

せんでした。

 ところが、マイクロバブルの登場で、その気泡をニ桁ほど小

さくすることについては、その解決がなされました。しかし、そ

れで、上記の下水のエアレーション問題が解決されたわけで

はありませんでした。

 それは、マイクロバブルによる気泡の超微細化はわずかな

空気量でしか実現できなかったことにありました。下水では、

最低でも、毎分100lとか200lの空気が必要なのですが、マ

イクロバブルの場合は、その100分の1しか実現できなかった

のです。

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