そこで、マイクロバブルによってその微細化は実現されたも

のの、その量的な問題において、下水処理や化学反応問題と

の間には、小さくないギャップがあることが明らかになりまし

た。

 そこで、この問題を解決しようとする次の2つの試みがなされ

るようになりました。

 ①超高速旋回式のマイクロバブル発生装置におけるマイク

ロバブルの発生量を増加させる。現在の毎分1l(リットル)の

10倍化、100倍化を実現する。これは非常に難しい問題であ

り、いまだに十分な解決はなされていません。この問題では、

さらに次の問題が浮き彫りになりました。それは、毎分1lの空

気のマイクロバブル化がどの程度なされ、それが溶解効率に

どう寄与しているかを明らかにする課題が出現したことでし

た。つまり、溶解効率自体においても、かなりの向上は見られ

たものの、それが十分ではなかったということでした。

 ②「マイクロバブルであれば、その性質はみな同じである」と

いう考えを基本にして、超高速旋回式とは異なるマイクロバブ

ル発生装置が氾濫し始めたことです。これも、新技術に関して

は、そのような混乱が起こることは避けられないことですが、

問題は、その違いを確かめようしない傾向が依然として存在し

ていることにあります。

 私は、実験科学者の一人ですから、疑問があれば、それを

実際に試して、それを検証することを基本としています。

 具体的には、私が開発した「超高速旋回式」と「加圧溶解式」

と呼ばれる装置を比較検証しました。結果は、それぞれの方

式でマイクロバブルの物理化学的性質が大きく異なることが

明らかになりました。
 
 その違いとは、超高速旋回式で発生したマイクロバブルは、

収集しやすくて負電位が高く、その水は水道水において弱ア

ルカリ化するということでした。ところが、加圧溶解式では、負

電位が低く、その水は酸性化するという全く逆の傾向が明らか

になりました。

 そして、さらに重要なことは、前者においては生物活性が起

こりますが、後者においては、それがまったく起こらないという

ことが判明したことでした。

 たとえば、ペットの入浴に、この加圧溶解式のマイクロバブ

ル装置がかなり用いられているようですが、この泡では、生物

活性がほとんど起こらず、ただ、その泡で洗うだけのことにな

ります。ところが、その洗浄においても負電位が低いので、汚

れを落とすのにも、そこそこの効果しか出ないという結果に

なっているようです。

J0350663