年末に、マーク・ステフィック他著(オーム社)の「ブレイクスルー」という本を買いま

した。その書名に興味を覚えたからです。私は、2007年8月に日本高専学会内に

「ブレイクスルー技術研究所」を発足させ、その活動を開始しています。この発足に

伴い、その中心となる「ブレイクスルー技術とは何か」、「ブレイクスルー技術研究所

は何をするのか」などが問題となりました。

 十分ではありませんが、私たちのブレイクスルー技術に関する定義は、次のよう

になされています。

 ①人々の生活や社会の産業を一変させることを可能とする技術

 ②過去においては、羅針盤、火薬、印刷機、電球、自動車、レーザー、携帯電話

などを生み出した技術

 ③「心の奥底の琴線に触れる重要な何か」を有する技術

 ④「いのち」と「こころ」に根ざす技術

 ⑤自前であることが大切な技術

 これに対して、ステフィックらは、この「ブレイクスルー」を次のように考えていま

す。

 「ブレイクスルーは人々にとって驚きである。それはめったにない出来事で、科学

的、技術的洞察から生まれてくる。ブレイクスルーと呼ばれるのは、人々が通常で

きないと思っていたことを実現するからである。ブレイクスルーは何か新しいことを

創り出したり、それまで認識されていなかったニーズを満たしたりする。大きなブレ

イクスルーは、発明家が思いもしなかったような利用価値や効果をもたらすことが

よくある。ブレイクスルーは、新しい産業を興したり、既存の産業を変革したりする」

 これらの定義においては重要な共通性が認められますが、微妙な差異も存在して

います。「吃驚」性や「いのち」と「こころ」に関することがそうですが、これらについて

はより深い検討が必要があるように思われます。

J0411922