世界同時不況の実態がしだいに明らかになってきています。大変容易ならざる状

況といえます。そこでは、従来の困難に新たな困難が加わって、誰も経験したこと

がない途方もない事態が生まれているようです。そして、それがどのようになってい

くのか、著名な経済学者でさえ、試行錯誤を繰り返していくしないという見解を述べ

るに留まっています。あまりにも大規模でかつ急激な変化が起きているからであり、

その規模にも、スピードにもついて行けない、これが現時点の特徴の一つといえま

す。また、状況の分析はできても、それをいかに乗り越えていくか、その実質が問

われていることから、だれも、その展望を示すことができないのは、それと切り結ん

でいないからだと思えてなりません。

 つまり、本当の意味でのブレイクスルーが求められているのですが、それが「ブレ

イク」に留まっているような気がしています。

 そんな大変な時期に、私は、ブレイクスルー技術研究所を設立して2年目を迎えま

した。この研究所では、ブレイクスルー技術自体を研究するところです。これを可能

とするには、まず、「対象とする事項をブレイクスルーだけでなく、その主体である

自らをブレイクスルー必要がある」、これが研究所員のみなさんと交わした誓いでし

た。その誓いを堅持し、自らをブレイクスルーにはどうすればよいか、そのことを、こ

の年末年始で懸命に考え続けました。

 残念ながら、今の時点で、その答えを明確に得るまでには至っていません。しか

し、そのヒントをどのようにして得るか、そのことについては、少しおぼろげに明ら

かになってきたような気がしています。

 それは、困難に真正面から立ち向かう、そのなかからヒントが得られると思い始

めたことです。

 現在、私たちが直面している困難は決して少なくありません。この指摘は難しく

ありません。

 (1)世界中のどこかで必ず戦争が起きています。これにはいろいろな事情がある

のでしょうが、そこには、いずれも、平和の土台をしっかり築くことを可能とする経済

発展が存在していません。

 (2)生物や環境の多くは死滅に向かいつつあり、それを逆に蘇生させる技術や経

済発展は実現されていません。

 (3)高齢者や病人が隅におかれ、急速に追い込まれる状況が進んでいます。昨

日のテレビでは、そのような方々が死に追いやられる「テレビドラマ」までもが登場

するようになりました。人生の先輩である高齢者を元気にし、活躍していただく、さ

らには、病気で苦しんでいる方を助けて健康にする、その方法においていくつもの

困難が存在しています。

 (4)先進地域と後進地域、資本家と労働者、強者と弱者、南と北、これらに介在す

る壁を乗り越えるにも少なくない困難があります。

 このように考えますと、私たちの眼前には無数の困難がありますが、真のブレイ

クスルーを実現するヒントは、その困難に目をそむけず、それと正面から切り結ぶ

ことでしか得られないないのではないでしょうか。

 「私たちは、あまりにも条件が整えられている環境で動くことに慣れてしまってい

て、それに立ち向かうことを恐れてしまうようになっているように思います」

 これは、ブレイクスルー技術研究所のある研究員が述べていたことですが、現在

の状況は、そのような指向のなかから飛び出すべきであることを示唆しています。

 「まずは、外に出て、困難にぶっつかり頭を冷やして考えなさい」

 サムシング・グレイト、そのようなものがあるとすれば、そのように仰っているよう

な気がしてなりません。みなさんはどう考えられますか。

 振り返れば、マイクロバブルにおける私の経験は、その困難ばかりが立ちはだ

かっていました。おかげで、その困難に出会うと以前ほどは怯まなくなりました。

「マイクロバブルでブレイクスルー」、これで、上記の困難を克服して時代的課題を

実現していく、それが「ブレイクスルー元年」に真に「ふさわしい」ことではないかと

思い始めています。

 すでに、その「ブレイクスルーの卵」はいくつも起こり始めています。それらは、勇

気こそ与えるものであり、決して歩をゆるめさせ、姿勢を怯ませるものではないこと

を素直に述べさせていただきます。

 こう考えますと、「ブレイクスルー元年」は、いよいよ大変な「マイクロバブル旅日

記」になりそうですね。

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