ホジュンのテレビドラマを視聴して特別に思うことは、「安心して観る」

ことができることです。これは、人間としての基本に関する「前向きさ」、

「まともさ」、「すばらしさ」などに関係しています。

 ホジュンは、「水汲み係」、「薬草取り係」をやりながら医師になるた

めの勉強を重ねます。自らは、病院の診療簿を隠れて書き写すこと

から始め、女性看護師のイェジンは、それを支援します。

 まず、薬草取りにおいて嘘の場所を教えられたホジュンが、山中で

迷った末に、アン大師に遭遇します。彼は、山中で獣を見つけては、

その解剖を行う奇人でしたが、じつは医師であり、ホジュンは彼に頼

みこんで医学を教えてもらいます。それは自然と人間の哲学的かか

わりから始まり、実践的な医術にまで及ぶ、いわゆる「在野の医学」で

した。

 これを直々に学ぶために、昼間は薬草取りを行い、夜は、この勉強

に出かけるホジュンを見て、周囲は、彼自身も変人、奇人になったとい

うようになります。

 しかし、当の本人は、まさに寝る時間も削って生きた勉強を重ねたの

です。この成果は、心筋梗塞で倒れたアン大師に、背中から針を打て

といわれたときに現れます。自ら教えた弟子に、初めての大きな針打

ちを命じて、それに救われたのです。

 この血の滲むような修行の成果は、病院のユ医師からもすぐに理解

されます。それゆえに、医術とは何かを厳しく教えられます。それは、

病院に毎日来る患者への対応のなかで試されます。

 それは、実践的な医術のなかから、医者として最も大切なものを学ば

せるという方法でした。

 三人目は、サムジョク大師と呼ばれる方です。この方は、かつてはア

ン大師と同じ職場にいた同僚ですが、息子が殺されたのを契機にして、

ライ病患者の治療に一生を捧げる仕事に取り組みます。ホジュンはユ

医師の逆鱗に触れて病院を追われることがあるのですが、その時に、

サイジョク大師を訪ね、ライ病をはじめとする医学を、ここでも実践的

に学びます。

 ドラマの進行とともに、このユ医師、アン、サイジョクの両大師は、古

くからの旧知の仲であり、ともに医学を修めた医師であることが判明し

ます。

 ホジュンは、これらの、いわば身体を張って医学を究めてきた3人の

医師及び大師に、しかも実践的体験を通じて医術を学ぶことができた

のですから、これ以上の勉学と修行はありません。ホジュン自身も、こ

れらの偉人に教えを乞うにふさわしい人間としての成長を遂げようと全

力で努力をし、それをものにしていったのです。

 この現場力、実践力、最前線における医学力、深い知識などが、そ

の後のホジュンの人生を文字通り切り拓いていく原動力になっていき

ます。

 ここには、現代に通じる教育力、技術力、研究力のあり方に関する

重要な示唆がいくつもあるように思っています。なぜなら、これらの力

を身に付けることによって、ホジュン自身がいくつもの危機を乗り越え

ることができるようになったからで、ここにホジュンの凄さがあります。

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