先月末、K君が貸していたマイクロバブル風呂用装置を返しにやってきました。と

ても表情がにこやかでした。これでお別れ、彼は京都の大学院に進学することに

なっていますので、私としては彼に「贈る言葉」をいう立場にありました。

 しかし、彼の表情が、いつもと違ってやけにさわやかなので、そちらの方が先に気

になりました。

  「やけに、調子がよさそうだね。いつも鼻をぐすんぐすんさせているのに、それもな

いようだね」

 「そうなんです。目も鼻もすっかり良くなりました」

 「えぇっ! それは大変なことだよ!あれだけ重度の花粉症で、寝込むほどだっ

たのに、どうして、また? この前は、目の痒みが少し取れたといっていたよね」

 「そうです。あれから、どんどんよくなって、今の状態になりました」

 「うそみたいな話ですね。そういえば、顔の腫れがなくなり、頬もすっきりしている

ね」

 「ところで、この風呂用マイクロバブル発生装置を母が買いたいといっているの

で、購入することはできますか?」

 「お母さんも、これを気にいったの?」

 「はい、母は冷え症で、このお風呂に入ってから、それが改善されたようで、とても

気に入って、手放せなくなったといっています。それから、おばあちゃんも、これが気

に入って、よく眠れるといっています」

 「そういえば、先日お母さんが来られたときに、大変喜ばれていました。それはお

母さんにとって良いことになったね」

 じつは、K君は、マイクロバブルの血流促進に関する研究をしていたのですが、そ

れがお母さんやおばあちゃんにも役立つことにつながったわけで、その面からも、

本人は嬉しかったはずです。

 この購入の件、もちろん可能で、販売元の㈱ナノプラネットも、K君のことだからと

特別の配慮を行ったようでした。

 こうして、K君も京都へ旅立っていきました。とても、さわやかな春の旅立ちでし

た。

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