全国酒類コンクール第1位,モンドセレクション最高金賞のダブル受賞に輝いた村

重酒造(山口県岩国市)の酒「錦」の味は,とても格調高く,すばらしいものでした.

 「こころは『錦』!」という流行歌の「フレーズ」がありますが,この酒を飲んでみて,

「酒は『錦』!」だという思いが湧いてきました.その味については,「酸味があり,キ

レもある,それに柔らかさがある」という評価がなされたと聞いています.

 この「酸味とキレ」は,これまでの村重酒造が造ってきた酒の特徴でしたので,こ

れに新たな「柔らかさ」,「まろやかさ」が加わり,新しい「三拍子」の酒の特徴が生

まれたという評価が得られたのだと思います.

 簡単にいえば,この三番目の特徴として,マイクロバブル技術によって付加され

たことが非常に重要なことだと思います.

 なぜなら,この2番目までの特徴と3番目とでは,その酒造りの従来技術において

は相反することであり,その統一化はほとんど困難なことだったのです.ですから,

これまでの酒造りにおいては,どちらかの特徴を選ぶしかなかったのではないで

しょうか.

 現に,たくさんある日本酒は,その前者の特徴を持つのが多いのですが,そのい

ずれかに分かれているのが,ほとんどであるように思われます.

 ですから,この三拍子を実現したことは,非常に画期的で,それが上記のW受賞

(全国酒類コンクール第1位,モンドセレクション最高金賞)の評価につながったとい

えます.まさに,酒造りの「ブレイクスルー」が起こったことを意味しますので,事は

小さくないようです.

 実際に飲んでみると,さらに複雑で,非常に新鮮な味がしま す.その第1は,飲

んですぐに,酒が「すぅー」と浸透していくことです.これが「透明感」のある浸透であ

り,女性にも好まれる「飲みやすさ」といえます.しかも,この段階では,アルコール

の味がほとんどしないことから,「水を飲んでいる」ように感じますので,それが「飲

みやすさ」にも寄与しているように思います.第2は,その浸透の後に,柔らかいア

ルコールの味がじわっと湧いてくることです.この味の「二段階構造」を有するの

が,この「錦」の格調高さの特徴でもあり,この味の構造について,杜氏との「話の

花」も咲かせていただきました.

 また,この酒造りにおいては,マイクロバブル技術の利用が始まったばかりです

ので,これからいろいろなことに挑戦できますねと,その杜氏さんにいうと,「その通

りです.これから酒造りが本当に面白くなると思いますので,わくわくしています」と

いう返事がありました.

 これは,幸先の良いスタートで,酒造りのブレイクスルーが起きた「典型的事例」

といえますが,これから,まだまだ「ブレイクスルー」が起こるような予感を覚える

会話を交えることができました.どうやら,マイクロバブル技術による「酒造りの新

時代」を迎えることができたようです.これは酒好きの方にとっては大変な朗報であ

り,その時代の到来対して,ささやかですが,一足先に祝辞を述べさせていただき

ます.

 「ゴールドクラウン(金冠)に,乾杯!」 

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