本日は、たつの市に向かう車中からで、今、広島を過ぎたあたりでしょうか。車外
は緑一色、生命が湧き立つ景色です。
「たつの」といえば、前回、「男はつらいよ」の「夕焼け小焼け」編で、そのラスト
シーンの場所を探せず、大変悔しい思いを残しました。あれから、その映画を再度
見直し、その場所の心当たりを定めましたので、今度は大丈夫ではないかと思いま
す。
このラストシーンは、車寅次郎が、日本画壇の最高峰である宇野重吉扮する「池
ノ内青観」が居る東京の方角に向って、絵のお礼をいうシーンです。その絵をいた
だいた芸者の「牡丹」には、その行動を理解することができなかったのですが、寅に
は、青観の心温かい行為が、すぐに理解できて、感謝の思いを伝えようとして東を
拝む行為が映画のシーンとしては、とても晴れやかで立派であり、心に残るシーン
でした。
なぜ、私が、この場所に拘るのか、みなさんは不思議に思われるかもしれません
が、私にとっては、そこが特別のところのように思えてならないのです。なぜなら、そ
のような感動は連鎖反応を起こし、結果的に「セレンディピティ」を掴む可能性が高
まるのではないかと思っているからです。
食品部門では、広島の岩村もみじ屋の「もみじ饅頭」が、静かに売れ始めたこと、
そして、今回のW受賞した村重酒造の大吟醸酒「錦」、さらには、これからも、このよ
うな快挙が続く予感がしていますので、それに類する体験として、その寅次郎の感
動も共有したい、これが偽らざる本音なのです。
さて、問題の場所をどうして映画のなかから見つけたかですが、これには2つの目
当てを見出しました。その一つは、望遠レンズで、その場所を中心にして後ろに引
き、遠景を見せるシーンです。映画では、この遠景のシーンが2つ出てきますが、そ
の最初は、旧竜野市役所の前の通りを遠くから望遠レンズで映したシーンでした。
このシーンと最後のシーンが同じであると思って、前回の探索では間違ってしま
いました。じつは、最後は、それとは異なる場所での望遠シーンでしたが、それに
気づきませんでした。そのシーンでは、最後に揖保川の雄大な景色を見せるため
に場所を変えていたのです。このあたり、さすがですね。名監督と名カメラマンの合
作の結果といえます。
もうひとつは、その最後のシーンの遠景に見える建物に注目したことです。これを
よく見ていると、なんと私たちが泊まった国民宿舎の「赤とんぼ荘」によく似ている
ではありませんか。それが正しいとすると、その後の川のシーンとも符合しますの
で、「あっ、これだ!」と思いました。
今回も、同じ「赤とんぼ荘」に泊まりますので、そこまで歩いていって確かめようと
思っています。
これに加えて、今回の実験の主役となる「5匹の犬」も待っていますので、今回も
いろいろと楽しい旅になりそうです。
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