たつの市赤とんぼ荘における二日目の朝を迎えています。少し早いのか、いまだ

日の出はなく、東の空が薄いピンク色に輝いていました。手持無沙汰に、パソコン

に向かってメイルを読み返す作業をしていたら、東の山際から鮮やかな紅色の太

陽が顔を出しました。その色鮮やかできれいなことに思わず見惚れました。

 それから、徐々に太陽が山際から離れ始じめるとともに、一筋の光が、地上のた

つの市旧市街を照らしました。その光りは、線状ですので、まるでスポットライトを当

てたように見えるから不思議でした。おそらく、一番高台にある赤とんぼ荘の8階に

いますので、最初に、そのスポットライトが当たったのは、私がいる部屋だと思いま

す。しかし、それは、反対側の東の方からしか見えません。

 徐々に太陽が上がるとともに、そのスポットライトにも角度がついて、眼下の街並

みの屋根を照らすようになりました。この光で輝く部分が、道のように東に移動して

いくのですから、これはとてもすばらしい光景でした。おそらく、太陽光線と大気にお

ける何らかの光を収束するレンズ効果が働いて、一筋のスポットライトをつくったの

だと思いますが、それが、たつの市を二分する揖保川に差し掛かったところ、一

際、その川面が鮮やかな反射を示しました。運が良かったことに、その部分は「瀬」

と呼ばれる速い部分で、流れが変動していましたので、その反射がさらに鮮やかに

なっていました。

 やがて、その反射は川の東向こうまで到達し、さらに上にあがると、徐々に、この

一筋の光は拡大し、そして消えていきました。

 色鮮やかで、ふしぎな光景に遭遇し、しばし感動しました。そして、これが何かを

暗示するものであれば、「とても幸いだな」とも、一瞬思いました。

 その後、朝食をして、すぐに、例の寅さん「夕焼け小焼け」のラストシーン探しに行

きました。今度は、場所を定めていますので、間違うことはないはずです。そして、

幸いにも、その場所(醤油樽の上で寅が手を合わせて礼をいう通り、芸者牡丹が洗

濯をしていた場所とそこに向かう路地、さらには、最後の遠景に写る街路など)をほ

ぼ特定することができたのではないかと思いました。これで念願がかないました。

次に行った時には、このあたりをゆっくり散策しようと思います。

 さて、念願をようやく果たして、車は、次の訪問地である夢前町(ゆめさき)に向か

いました。ここからは、意外と近く、車で15分の距離にあると聞いていました。㈱

APJの山根正義社長と面会し、同時にマイクロバブル野菜の調査を行うことが今回

の旅の最後の目的でした。

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