すでに紹介させていただいた岩村もみじ屋の「マイクロバブルもみじ饅頭」や村重
酒造の「マイクロバブル酒」の特徴は,無条件に「美味しい」ということです.人に
よってはいろいろな表現法がありますが,そこに共通することは,「感動するほど
に美味しい」という認識があることにあります.
ですから,植物工場で生産された野菜が「売れる」ようになるには,それらと同質
の感動を伴う「美味しさ」を与える必要があります.平たくいえば,「こんなに美味し
い野菜があったのか」と感激しながら食べられる野菜であることが最高に望ましい
ことなのです.そうであれば,消費者のみなさんは,挙って,その野菜を購入し,感
激の食事をすることができるはずです.
第2の必要条件は,安全安心の野菜であることです.当然のことながら,無農薬,
無機肥料,そしてマイクロバブルを利用した場合は,水と空気しか使用しませんの
で,その安全安心が確保されます.
第3は,上記の2つの条件にも関係しますが,「本来の植物」としての成長を遂げ
ているかという問題です.すくすくと育ち,豊かな栄養成分を保有し,昔の野菜のよ
うに立派に育っているかということです.これには,「光合成をしっかり行っている
か」,「根が大きく育っているか」,「若々しくて強いか」などの重要な研究課題の実
現問題も当然のことながら含まれます.
第4は,プラントや運転経費においてコスト削減を可能にし,低価格の販売におい
てもきちんとした収益を確保できるかという問題です.
おそらく,これらのような必要条件を備えた野菜を生産できるようにしないかぎり,
「植物工場が新産業になる」ことには,かなりの困難を伴うこともあるのではないで
しょうか.要するに,「美味しくて,しかも安くて安全な,さらには栄養豊かで健康的
な野菜づくり」,これが一番望まれていることであり,それに最接近できる「植物工
場の開発」がなされることで,その新産業の創成と定着が,初めて実現されるよう
になるのではないかと思われます.
したがって,「植物工場づくり」の研究においても,それらの課題解決が重要であ
り,そこに大胆に切り込んでいくことが必要とされているのではないでしょうか.
以上の観点をしっかり踏まえて,ささやかですが,私自身も,その研究の隊列の
一部に参加させていただき,今後の「野菜づくり」,「植物工場づくり」を中心とする
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今,東京についたところですが,雨が降っています.これから,企業の方他と面談があります.明日は,ご指摘の農商工連携に関係した講演を行う予定です.その準備はかなり進みましたが,さらに今夜は,その仕上げをいたします.非常に重要な取り組みになります.この件でもいろいろと意見交換をする時期がくると思いますので,楽しみですね.