東京は,昨日から降っていた雨が止んで,天気が回復に向かっています.本日の

講演は,比較的円滑に進み,みなさんの反応もよかったと思います.

 「マイクロバブル野菜は何か」を中心に,その柱を組み立たせていただきました

が,その特徴や究明の課題についても言及させていただきました.これがひとつの

契機となり,農商工連携がますます活発に進展する一助になっていくことができれ

ばと思っています.

 

 前置きは,それくらいにして,K3さんとの対談を再開することにしましょう.

 K:長野県の阿智村では,8月に第1回全国高専阿智サミットが開催されたことも印

象に残りました.なんといっても,高専生が同士が互いに交流できたことが最高に

よかったですね.

 M:そうですね.鈴鹿高専のBさんは,ここでの発表が契機になり,自分の学生生

活を振り返っての立派な原稿を執筆し,それが,日本高専学会奨励賞としても評価

されることになりました.それから,高知高専のH君も,これをきっかけにして相当頑

張るようになりました.あまりがんばりすぎて,2週間徹夜で実験を行い,その後1ケ

月休んだと担当のH先生がおっしゃられていました.それを高知に行ったときに聞

いたのですが,私が風邪を引いていて,それがH先生に移って,今度はH先生が寝

込むという事態にもなり,とんだ「連鎖反応」になりました.

 K:そのサミットでは,元木更津高専教授の久松俊一先生の特別講演がすばらし

かったですね.

 M:私も,あの講演には感動しました.高専の3年生が,1年で450枚の調査研究レ

ポート書いて,見事に成長の礎を築いたという話は圧巻でした.感動を覚えたのは

学生たちも同じで,先生のことを「師匠,師匠」と呼んでいました.その久松先生で

すが,先日豊橋で会って,髪の毛の前と後がより黒くなっていたことに驚きました.

 K:間違いなく,それもマイクロバブル効果ですね.私も,先生の元気な姿に接し,

それを分けてもらいたいとすら思うほどでした.

 M:その通りです.久松先生も,長い間のマイクロバブル入浴愛好者の一人です.

それにしても,頭の後ろの首筋のあたりがかなり黒くなっておられました.

 K:今年の2月には,豊橋技術科学大学で日本高専学会と豊橋技術科学大学共

催のシンポジウムがあり,久松先生とマイクロバブル博士が基調報告をなされまし

た.

 M:今振り返ってみても,大変意味のあるシンポジウムでした.豊橋技術科学大

学,長岡技術科学大学と全国にある55の高専が互いの連携の必要性を理解し,

それを発展させていくことの重要性が議論されました.また,これを踏まえての連携

の実質を構築していくことが検討され始めたことも,その後の動きとして注目されま

す.

 K:この課題も重要ですね.なにしろ,両方の技術科学大学と高専の,ある意味で

命運がかかっているといってもよいほどの重要な課題といえますね.ところで,最近

は,マイクロバブル技術に関するシンポジウムやセミナーが開催されなくなりました

が,それは何か理由があるのでしょうか.

 M:ご指摘ありがとうございます.特別な理由はありませんが,そのように時間を

おいてじっくり考える時期も必要なのではないかと思っています.おかげで,じっくり

とマイクロバブル研究に取り組むことができて,毎日,わくわくするような日々を過

ごしております.

 K:たとえば,それは,どんなことですか.少し前のブログでは,マイクロバブル技

術が「本質的発展を遂げる」ようになってきたという,なにか意味ありげな記述がな

されていましたね.

 M:なかなか鋭い点を突いてきますね.これまでのマイクロバブル技術全体を振り

返りますと,まだまだ生成期の域を脱していなといえます.発生装置や,その使用

法,技術的な利用の展開法,そのいずれにおいても,不十分さがあり,さまざまな

改善や,場合によっては根本的な「ブレイクスルー」が必要なことも少なくありませ

ん.しかし,一方で,出現してくる,いわゆる「マイクロバブルの吃驚現象」は相変わ

らず多様な彩を見せていますので,その対比はますます鮮やかに観えてきていま

す.具体的には,いろいろな対象物や形態がありますが,やはり,その基本は,「空

気と水」にあり,その基本を問いなおすことになっています.

 K:そこに,マイクロバブル技術が「未来技術」と呼ばれる理由があるのですね.や

はり,少し早すぎるのですかね

 M:その通りだと思います.水と空気を利用した技術ですから,それは身近なとこ

ろにいくつも関係しているのですが,意外とそれが見いだせないこともあります.や

はり,未来のことはなかなかわかりにくいものなので,そこには,創業者といいます

か,最初の開発者の長い壮絶な苦労や粘りがあってこそ,日の目をみるといいま

しょうか,そのようなことが,この分野においても起きています.昨日の講演の主題

であった「農商工連携」の件も,これから大いに発展する分野だと思いますが,それ

は,「安全で美味しい野菜」を「安く」提供できる技術を開発できるかどうかにかかっ

ているように思います.

                                         (この稿つづく)

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