K:「マイクロバブルが未来技術的側面を有している」,これはマイクロバブル技術
を理解するうえでとても重要な視点ですね.
M:実際に起こっていることのほとんどが,予測を超えるといいますか,予想外の
ことばかりがおきて,吃驚することばかりです.あなたの好きな「吃驚現象」です.
K:いゃー,その通りですね.広島のカキから始まって,最近では「もみじ饅頭」から
「日本酒」にまで,その吃驚が広がってきました.よく考えてみると,それらは,これ
までになかったものですから,その時点では未来に広がる技術だったのですね.
M:その未来技術を考える場合に2つの視点があります.第1は,その起こった吃
驚現象が,どのくらい早いか,それを検討する視点です.これには,「未来年表」と
いうものがありますので,それと比較してみると,およそ,どれくらい早いかがすぐ
にわかります.
K:なるほど,博報堂生活総合研究所が示している「未来年表」のことですね.もう
ひとつの視点とは,どのようなものですか?
M:第2は,その起こった現象を通して未来を見通す視点です.それが独創的で,
社会経済的価値を豊かに有すれば有するほど,未来に向かって広がる可能性が
大きくなりますので,その予測もある程度できるようになります.その際,自分を含
めての過去の事例や経験が役立ちますので,それを根拠に,「これは,いつごろ花
開くのか」と考えるようになります.
K:そうすると,すでになされている「未来年表」と,その未来への見通しがほぼ合
うようになれば,かなりの確度の未来予測が可能ということになりますね.
M:その通りです.ホームズの気分になって,「さすがワトソン君!」といいたいとこ
ろですね.
K:さて,それでは,マイクロバブル技術の近未来においては,どのような課題が
あるのでしょうか.ずばりお聞かせてください.
M:なかなか強引ですね.いきなり,そういわれても困るのですが,「ワトソン君」の
頼みであれば,応じないわけにはいきませんね.私は,その柱として,①健康医
療,②食糧・バイオ,③水,④環境・エネルギーの4つを考えています.
(この稿つづく)
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コメントありがとうございます.マイクロバブル技術を広める過程において,それをいかに教育するかという問題は非常に重要な問題です.しかし,一方で開発の課題の解決が必要な時期もあり,双方微妙な関係ともいえます.たしかに,そのような学校や学会が必要なのですが,今は,すこし我慢して,研究に専念させていただいております.次のシンポジウムの予定は決まっていませんが,それが開催される折には,マイクロバブル技術自身に対してずいぶん変わったなという印象をもたれると思います.