熱心なブログの読者から,先の「起業家精神3カ条」についての感想が寄せられ

ました.それは,その「3カ条」のうち,「現代人において最も失われているのが,三

番目の『確固とした信条』である」という指摘に関するものでした.どこかの首相は,

「ぶれている」といわれることを非常に嫌われているそうですが,この言葉を用いれ

ば「ぶれない」ということになります.いつ,いかなるときにも「ぶれない確固とした信

条」を持つことが非常に難しい世の中になってきたのではないでしょうか.その意味

で,現代においては,「起業家精神」を形成することがますます容易ではなくなって

きている,これが特徴といえます.

 先日のブログでも述べましたが,我が国におけるベンチャービジネスの雄である

堀場雅夫さんが,第7回産学官連携推進会議において,「わが国でのベンチャービ

ジネス企業の発展は難しい」と,しみじみ報告されていたことが心に残っています.

 「そんなことでは,これからの日本はやっていけなくなるのではないか.これまで,

あれだけ,大学にも手厚く支援がなされてきたのに,それはどうなったのか?大変

残念なことだ!」

 こう思わざるを得ませんでした.そのことを,上述の「3カ条」に照らして考えてみる

ことにしましょう.

 ①知識・技術・科学から生み出される

 ②豊かな創造力から生み出される

 ③確固たる信条が必要である

 ①については,十分に科学技術の知識を身につけているはずです.問題は,②

の「豊かさ」の程度,③の「確固さ」の具合が問題といえます.しかも,この②と③

は相互に密接な関係を有していることから,その考察も重要になります.

 そこで,この②と③の問題を具体的に考察することにしましょう.

 その第1のケースは,ホジュンさんです.彼の場合,「豊かな創造力」と「確固とし

た信条」は,どのようにして養成されたのでしょうか.まず,その点から考察を進め

て行くことにしましょう.

                                         (この稿つづく)

J0286576