伊藤邦雄氏の日経記事は(7月22日),次のように締めくくられています.

 「医療,健康,環境,農業など成長分野で潜在力豊かな起業家が活躍する余地

は大きい.現に農業分野では,最新技術を駆使した農業ベンチャーが野菜工場に

進出し,イノベーションを起こしている.

 起業家精神の高揚こそ,閉塞感を打破し,経済危機を乗り越える一見遠くて,近

い道なのである」

 ここでは,「潜在力豊かな」と「起業家精神の高揚」という用語が注目されます.

「『創造的破壊』の先兵たれ」と,世界的経済危機の影響を最も深刻な影響を受

け,VB総崩れに近い状態においてさえも,潜在している起業家に,その高揚を呼

びかけています.どうやら,その起業の潜在力は,「医療,健康,環境,農業」など

の分野にありそうですが,これらは,いずれも,VBのみならず,大手企業もしっかり

参入を狙って作戦を練っている分野でもあります.

 となると,起業家精神の高揚は,VBのみならず,大手企業にも必要なことになり

ます.その際,最も本質的に問われることは,その起業家精神の「高揚の仕方」で

あり,さらには,それを実現する「その精神力の中身」であるような気がします.

 さて,伊藤氏によれば,そのヒントとなる事例が,農業分野の野菜工場づくりにお

いて起っているようであり,そのイノベーション性についての検討を行う「余地」もあ

りそうです.

 以上を踏まえますと,大規模で本質的な「創造的破壊」を実現するためのヒントを

見出すには,現下の「経済危機」における「起業家精神論」を,さらに深く考察する

必要があるように思われます.
                                         (この稿つづく)

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