本日の日経新聞の一面トップ記事に、植物工場のことが報道されています。その

第1見出しは、「住友化学が農業参入」でした。続いて、第2見出しは、「製造業にも

進出の動き 全国で農場展開」とありました。

 ここで、住友化学が大見出しに取り上げられた理由は、その参入の規模ととも

に、「農薬・肥料の国内最大手で、農産物の生産・販売まで一貫して手掛け、相乗

効果を狙う」ことにあるようです。全国に30~40カ所に農場を展開し、「2015年ま

でに50億円の売上高を目指す」とされています。

 これで、化学分野では、住友化学、三菱化学、金属ではJFEホールディングス、商

社では、豊田商事、鉄道では、東海旅客鉄道、小売りでは、セブン&アイ・
ホール

ディングス、イオン、外食ではワタミなど、これでかなりの分野と数になってきまし

た。これらを合わせますと、数年後には数百億円の売り上げ規模になると予想され

ますので、しだいに大きな流れとなっていくことでしょう。
 
 そして、この流れを支えるのが、その基本技術です。これをめぐっては、土耕か水

耕か、LEDか太陽光か、採算が取れるか取れないか、美味しいか美味しくないかな

どをめぐってさまざまな技術競争が繰り返されることになるでしょう。

 重要なことは、これが国内規模でなされるのではなく、それよりははるかに大きい

国際規模での競争がなされることであり、その対応がとても重要といえるのではな

いでしょうか。

 2005年にノーベル化学賞を受けたマサチュセッチュ工科大学のSchrock教授

は、窒素化学肥料の生産にかかわる画期的な製造法の開発の重要性を強調され

ています。現在の肥料製造法では、あまりにも莫大なエネルギーを要してしまうか

らで、この「ブレイクスルー」が求められています。一説によれば、この窒素肥料の

生産によって全世界の約40%の人口が養われているそうですが、そのために、莫

大なエネルギーを消費してしまっているのです。また、この技術開発は、東京大学

の西林先生や九州大学の小江先生によれば、「全人類が待ち望んでいる新技術

の創製」に相当することのようです。
 
 さて、これらの製造業の農業への参入がどのように成功的に成し遂げられるの

か、非常に注目されることですが、これは同時に日本全体における農業の発展に

結びつくことが重要です。それが、どのようにしたら可能か、そのことが真剣に問わ

れ始めているのではないでしょうか。

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