マイクロバブル技術が,第一段階を脱し,第二段階に突入するための必要条件とては,次の2つが考えられます.

 ①もともと,マイクロバブル技術は,それを適用する分野が広いことを特徴として います.あまりにも桁違いに広いために,それを本質として捉えることができないの です.

 当初は,「あまりにもいろいろなことがありすぎるから,一つのことに的を絞ったらよい」という意見をよくいただきました.

 これは一見,まともな意見のように思わ れますが,じつはマイクロバブルの場合は,そうではないのです.ひとつに絞ろうと しても,それは断片の一つを探ろうとしているだけで,そこから本質が見えてくるわ けではないのです.

 よくある話では,目をつぶって,象を触らせ,それは何かと尋ね たら,10人が10人,それぞれ違うものを答えたということがありますが,それに非常 によく似た現象といえます.

 ですから,ある専門家の例を挙げますと,それを自分 の専門分野の話に持ち込んで話を展開しますので,そこで間違えますと,そのルー トを歩む人は,みな間違った道を歩み,ひたすら荒野を彷徨うことになります.

 そし て,もっともらしく聞こえるものほど,その間違いを増幅させることになりますので, 要注意をよろしくお願いいたします.このような典型的事例は,私の知る限り,マイ クロバブルにおいては決して珍しいことではありません.

 これに対して,NHKカメラマンだった方が,両手を広げて,マイクロバブルは, こんなに広いことが特徴なのだといわれたことを鮮やかに思い出します.いいかえ れば,一点突破主義や個別課題における先端科学的追求ではなく,いわば「総合 主義」で,その広げた両手を徐々に一歩一歩前に確実に進める方式であり,そのそれぞれの事象を横に貫くなかに普遍的な本質があるのではないか,これを大切 にしなければならないと思っています.

 これをジグソーパズルにたとえますと,あちこちで,その塊を通じてそれぞれの形 象の組み合わせが試みられますが,それらが連なることはなく,すべては見えてい ない,しかし,確実に,その完成に一歩一歩近づいていることは間違いありませ ん.

 そして,その形成が完成に導かれたときに,その形象の意味が一挙に理解されます.誰の目にも,それが何であるかが分かるのです.この時には,それが何か がの本質がわかることが大切で,それで十分なのです.

 20世紀までの科学には,このような理解の方法がなかったからでもありますが,新しい世紀においては,それから脱却する科学の方法もあってよいのではないかと思います.

 その最初のテーマが,マイクロバブルという具体的な物質を通じて与え ていただいているのではないでしょうか.私たちは,その幸運の恩恵にあずかって いるのだと思います.               (つづく)

J0409240