マイクロバブル技術が,その「第一段階」から「第二段階」へと移行するための必要条件の第二は,その物理化学的特性の本質をより鋭く明らかにし,それを基本として,さらに優れた機能性を発揮させる技術開発を可能とすることにあります.

 これをもっと平易にいえば,マイクロバブルの性質をより深く明らかにして,それにふさわしい技術的適用を行うことを可能とすることにあります.

 この課題を実現しないかぎり,すでに明らかにして第一段階における問題の「ブレイクスルー」は達成できないといえ,それを「第二段階」において達成することによって,その解消が初めて可能になることにもなります.

 すでに,明らかにしてきたように,マイクロバブルの重要な物理化学的特性は,その発生後に収縮運動を示し,その過程で負電位を増大させ,自発光することにあります.

 しかし,これらの特性が相互にどのように結びついて特性を示すのか,そのメカニズムが明らかになっていません.そのジグソーパズルはバラバラのままであり,相互の組み合わせが増えることによって自らの姿を明らかにする段階には到達していないのです.

 しかも,その特性に裏打ちされた「機能性」は,マイクロバブル技術が適用された現場において発揮されますので,その未知の谷間において実証される場合が多く,この現場の問題が,実験室の基礎的究明とリンクしないと,その正しい究明ができないという特色を有しているという構造性を有していることから,事体が簡単なようで難しく,意外に複雑なのです.

 しかし,私は,長期視野においては非常に楽観的です.マイクロバブルが生み出す可能性がある「社会経済的価値」が優れていることを原動力として,それが谷間であろうと,多少の複雑性や困難があろうとも,その究明が確実になされていくと思っています.

 私のささやかな経験においても,つい最近,2つの重要な Invention を実現することができました.これらを踏まえますと,マイクロバブル技術の「第二段階」への突入は,すでに開始されているのかもしれませんね.これによって,その「彩り」が,ますます鮮やかになっていくことが期待されます.