昨日は、かなり突っ込んだ議論を行いました。研究者であれば、あるいは技術者であれば、自分の研究した成果が社会に認められ、それが広く普及することを願っています。しかし、そのようなことは、なかなか一挙には進行しません。そこで、その壁を何とか突破するために、自分に対しても、その限界を広げようと努力します。

 その議論は、次の3点においてなされました。

 ①足元の成果を観る

 ②「発明」が可能な「ひらめき」とは何か

 ③「高専」という壁をどう乗り越えるか

 その第1の問題は、昨年から実施してきた「共同研究」の成果を掘り下げて考えてみることでした。この課題は、強烈な排水の臭気を軽減させることを主目的にしていましたが、その目的をほぼ達成したことを踏まえ、さらに、今後の展開をどのように考えるかにありました。

 ある方がいっていましたが、「よい本」とは、それを読んだ後に「次の本を読みたくさせる本」だそうですが、研究もこれに該当します。「よい研究」とは、「次の研究を促す研究」であり、そこに「発展性」を見出せることに重要な意味があります。

 この観点から、その共同研究の成果について、より掘り下げた議論を行った結果、そこにはいくつもの重要な可能性があることが判明してきました。排水という、いわば余分なもの、やっかいものを逆に利用するという逆転の発想が生まれてきました。

 この場合は、臭気を奪いながら、逆に再利用ができるようにする、技術的には、「二律背反」的な課題をどう実現するか、そのための「ブレイクスルー」を、何を対象にして、どのようにして可能にするか、ここが焦点になりました。

 同時に、その課題は、これまでの技術において、何が問題となっているか、この解明がぜひとも必要であることも浮き上がらせることになりました。