「止められない,止まらない,マイクロバブル」現象は,さらに続きました.

 このころは,丁度岩国市の村重酒造を訪問していました.ここの主力商品の名前が「金冠黒松」というものでした.

 この商品名を,すぐに,そのままブログ上で示すことができませんでしたので,「金冠」を「ゴールドクラウン」と訳して用いることにしました.

 そして,このときに,K高専のH先生が来られ,彼のお母さんに関する朗報がもたらされました.

 それは,動かなかった指が,マイクロバブル入浴2週間で「動くようになった」というものでした.本人も,H先生も,そして私も吃驚しました.

 これを踏まえて,「ゴールドクラウン」という主題の記事を書かせていただき,これが評判になりました.

 それは,日本一となった「酒」に続いて,そのお母さんの指を動かすという「金的を射た」からでした.

 その後も,頸椎を損傷のTさんの懸命のマイクロバブルリハビリでの驚異的な回復,そして最近では「姉」の健康改善など,「ゴールドクラウン」にふさわしい「伝説」が生まれてきました.

 これらの外部刺激は,当然のことながら,私どもの研究室内部へ強烈な刺激となりました.私の頭の中は,「なぜか?,なぜか?」で寝ても覚めてもあふれるようになりました.

 そして,それらは,やがて「もしや?,もしかして?」に変わっていき,それを考えていて眠れない夜もすごしました.

 このマイクロバブル思索の刺激は,先日のNHKスペシャルで放送された「立花隆 思索ドキュメント『がん 生と死の謎に挑む』」から受けた知的刺激とどこか似通ったところがあります.

 しかし,違うのは,こちらが,それこそ牛の動きのように一歩一歩しか進まないことで,この放送の方は,世界の最先端を知らせたのですから,目から鱗が落ちるほどの吃驚現象でした.

 まずは,もう一度原点にもどり,マイクロバブルの基本を考え直すとともに,いくつかの未解明のままであった懸案の課題の究明に取り組むことから始めることにしました.

 「自らの足元の泉を掘れ,そこからはあふれんばかりの水がこんこんと湧き出てくるであろう!」,この信念をもとにして真正面から取り組めたのですから,とてもうれしい気持ちでいっぱいになりました.

 その第1は装置の改良でした.この開発においては,装置が基本,技術的には「命のような存在」ですから,その不断の改良が必要であり,この作業の手を休めたことはありません.

 問題や課題が見えてくると,常に,その装置の問題に立ち帰り,その根本を考え直す,これが基本中の基本と考えています.

 さて,みなさんにとっても朗報になると思いますが,その改良がなされた装置の一部が,そう遅くない時期に(今月中に)公表されると思います.

 さぞかし,「こんな使い方があったのか!これは便利でよい」と思われ,さらに,それを使用されると,「なるほど,これは納得!」と感心なされるのではないかと密かに期待しています.

 第2は,新たなマイクロバブルの物理化学的特性の究明とそれに基づく技術的開発に関するものです.いい換えれば,「発明(invention)に結び付く,洞察(ひらめき,ituition)」に関することです.

 この一部については,メディアの取材が始まりましたので,今月の後半には,そこを通じて広く明らかになる予定です.

 私たち研究者の使命とは,その研究成果を広く国民のみなさんに返していくことであり,それが小さくない富をもたらすのであれば,それにこしたことはありません.

 今回の放送は,その実現に結び付く話であり,現状からの「ブレイクスルー」の真価が問われることになります.

 簡単にいわせていただきます.これまでは,どんな企業や研究機関(私も含めて)においても,マイクロバブル技術を大規模に広く,国民生活や産業,さらには地球環境に深く浸透させることはできませんでした.

 その理由は,それにふさわしい「発明に結び付く洞察・ひらめきに達していなかった」からであり,「そのような発明がなかった」からともいうことができるでしょう.

 そして,今回の発明で,そのことの必然性,重要性を悟ることになるとともに,それが,今回の「新たな認識の到達点」ともなりました.何事も,他人に頼らず,自前でやっていくことが大切ですね.

 こうして,いくつもの重要な外的刺激は,内部での重要な「孵化」へと結びついていき,その研究の旅路においても光が射してくるようになりました(この稿おわり).

J0222111