「チャングムの誓い」,「ホジュン」がきっかけになり,それ以降も韓流歴史ドラマを楽しく拝見させていただくようになりました.

 最近では,これがちょっとした息抜き,娯楽になっています.そこで,これらのドラマがなぜ面白いかを分析してみようと思いました.

 まず,これらのドラマの特徴は,非常に長いことです.しかも,それぞれの単独の物語の時間も60分と長く,ここにたっぷり感があります.

 かつてのNHKも1時間近い放送時間がありましたが,今の45分は,すぐに終わってしまうという「感じ」があります.

 この45分と60分の違いは,単に,時間が15分短いという問題に留まりません.なぜなら,韓流ドラマは,この45分を過ぎたあたりから,急展開を見せ始め,その前の45分は,その急展開の前提といいましょうか,その布石を十分に見せることに特徴があります.

 同時に,長期間において,ドラマを進行させることにおいては,その筋書きを丁寧に描いていくという手法が生かせます.

 最初は,もの珍しく見ていたものが,そのうちどうでもよくなり,とぎれとぎれでしか見ないようになり,最後にはほとんど見なくなってしまうのです.

 1回あたりの放送時間が長く,そして全体も長い,これが,何でも短くしようとしてきた日本のやり方と違う,ここにかえって好まれる利点が働いているように思われます.

 その第2は,敵味方の構図をより対立的に描く手法に長けていることです.この敵味方の狙いや思いをより具体的に描くことによって,視聴者の関心をより強くし,その激突を鮮やかに見せようとしているところに製作者の意図があります.

 この手法が,かつて幼少期に見た日本の映画とそっくりなので,これにも郷愁を覚えてしまいます.子供の頃に見た「鞍馬天狗」や「里見八犬伝」をなんとなく思い出させようとするのです.

 前者においては,その主人公が出てくるまでは,映画館で寝ていて,その登場と共に起こしてもらった記憶があります.あの鞍馬天狗が馬に乗ってさっそうと登場するシーンが必ずあり,眠気まなこで,その雄姿に胸を躍らせました.

 また,後者においては,8つの珠をもつ若者が集まって,その必然性にもとづいて大事をなすことが,いかにすばらしいことであるかを理解したことを覚えています.

 弱気を助け,力を合わせて事をなす,これが大切ですね(つづく).

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