「ナノテク」への期待が寄せられています.物質を小さくしていくと,予想外の効果が発揮される場合があるからです.

 これには,炭素結晶など,ナノサイズの物質を小さくして利用する技術と分子サイズの反応を利用する技術に大別されます.

 これらを比較すると,前者の方が比較的話題となりがちです.しかし,意外と後者の話も重要だと思っていますが,これは古くからある反応という問題でもあることから,どうしても地味に扱われがちになるようです.

 さて,ナノ粒子のことですが,それは,固体であっても透明にしか見えず,目で見ることができません.ですから,それをつくること,さらには集めることなどの効率よい操作が非常に難しくなります.

 固体であっても透明にしか見えないナノ粒子ですから,当然のことながらナノバブルも透明にしか見えません.

 そのことは,マイクロバブルが収縮して水中で消失していくときに,ナノサイズにまで縮小せずに,マイクロサイズにおいても,ヒトの目では見えなくなることからも理解できます.

 私たちの実験では,直径が数十マイクロメートルの気泡から収縮するマイクロバブルを連続的に追跡することができますが,その時のマイクロスコープによる撮影倍率が400~800倍であり,そのような倍率を確保することで初めて,マイクロバブルが収縮して消えていく様子が詳しく観察でるのです.

 目視では,直径が10マクロメートル以下になると見えなくなります.それでも強烈な照明をあてると,その反射で見ることができますが,それ以下の一ケタサイズのマイクロバブルはなかなか目でみることができません.

 ですから,そのサイズのマイクロバブルも透明で通常は見えないほどの小さなのです.

 そこで,マイクロスコープという顕微鏡のようなもので拡大して見えるように工夫する必要があるのです.これで,ようやく,数マイクロメートルの気泡が拡大して見えるようになり,拡大率を800倍にしますと,1マイクロメートル前後の気泡がかろうじてみえるようになります.

 以上を踏まえますと,目に見える「白い泡がナノバブルだ」と主張することが,いかに誤りであるか,そして「真っ赤なうそ」であるかが,すぐにわかっていただけると思います(つづく).

J0410973