Mさんとの交流を振り返れば,なんといっても一番の思い出は,北海道での「珍道中」でした.札幌であった学会の途中から抜け出し,札幌市内にある空港から一路釧路空港へ飛びました.

 そして,釧路から浜中町へと車で向かい,現地視察を行って一泊,再び翌日に学会中日の最後の討論会に出席するという強行軍でした.

 目指すは,その浜中町にあるウニの水産加工会社でした.この社長さんが大変ユニークな方で,殻から取り出したウニの洗浄にマイクロバブルを適用し,見事に成功されていました.

 このとき,ウニの養殖場にも船を出していただき,ウニの飼育を観察するとともに,船上で生きたウニの試食をさせていただきました.そのウニを持って帰り,マイクロバブル実験も行いましたが,そのときの吃驚現象は今でも鮮明に脳裏に刻み込まれています.

 「ウニの歩くスピードが速い!」

 これが第1の吃驚でした.こちらは,どう早いのかがわかりませんので,詳しく尋ねると,いつもの,つまり,マイクロバブルを与えていないときの動くスピードとは2倍ちがうというのです.

 「それは大変なことですね.それでは,さきほど,船上で4つに割ったウニがありますので,これも入れてみましょうか?」

 こういうと,全員がそのウニに視線を注ぎました.「固唾を飲んで見る」とは,このようなことを言うのですね.

 「動いた!これも動きが速い!」

 これには,みなさん,吃驚しましたが,よく考えてみると,貝の貝柱を切ったときに,マイクロバブルに貝が反応する姿とよく似ていました.

 通常,貝柱を切られると,貝はすぐに弱るのですが,それでもマイクロバブルを与えると,それを忘れたかのように外套膜を伸ばし,血流促進を起こして元気になります.

 さすがのMさんも,切られ与三郎になったウニが元気に動いたので,とてつもなく吃驚されたようでした.

 「さすがはマイクロバブル,ウニさんも喜ばれていますね!」

 このとき,Mさんの驚愕を横目にしながら,私は,こう呟くとともに,次のような思いが過ぎりました.

 「世の中には,企業のなかで思うようにいかず,このような『切られ与三郎』がたくさんいるのではないか.もしかしたら,Mさんも,その一人かもしれない.これを,マイクロバブルで,『動くこと疾風のごとく』にしなければならない」

 宿の外には,南に海があり,北には広大な湿原がどこまでも続いていました.もう一度,Mさんと訪ねてみたいところです.

 J0418382
 本日は,その北の宿に因んだ曲を贈ります.もう年の瀬も近くなりました.「北海道はやはり演歌です」,こう言っていたのは北海道の熊さん(元旭川高専教授の熊川先生)でした.

11 北の宿から