12月26日には,NHKスペシャル「働き盛りのがん」という90分番組があり,27日からは,先日の立花隆「思索ドキュメント」の続編が三夜連続で放送されました.

 前者においては,実際に「がん」と格闘しながら働いているみなさんが登場し,それぞれが「がん」に向き合って生きている様子が紹介されていました.

 かつては考えられない光景ですが,年間64万人が「がん」で死に,その割合が3人に一人という時代を迎えている今日では,その状況を反映した内容の放送ともいえるのではないでしょうか.

 後者は,11月末に,同じくNHKスペシャルとして放送された内容を,さらに詳しく説明したものであり,ジャーナリストの立花隆さんが訪れた新たな「がん研究者」の方々の成果や証言も加えられていました.

 これらの内容については,これから私なりに分析を行い,近いうちに,その結果も報告させていただきますが,ここでは,「おやっ!」と思ったことだけを述べさせていただきます.

 それは,彼自身の発言のなかで,新たに加えられたことが2つあったことにありました.

 周知のように,がんの本質の一つは「転移」にあります.

 「転移さえなければ,がんは大したことがない」,このように述べる理由は,がんが転移して再発すれば,ほとんどの方が「余命数カ月」という通告をなされ,それ以降は「なす術(すべ)がない」からです.

 本放送は,この転移をどう防ぐか,ここに「科学のメスによる解剖と解決策が見出されていない」ことを鮮やかに浮き彫りにしました.

 「10年,20年経っても,その解明と克服法は確立されない,もしかして100年かかるかもしれない」,こういいながら,彼は,次のようにいいました.

 「それは困難であっても,人類は,その克服の方法をきっと見つけるであろう」

 これは,最初の放送には決して見出すことができない新たな「見解」でした.その後の取材によって付け加えられたことであると理解させていただきました.

 この「一言」があるかどうかには小さくない「違い」があります.

 自らもがん患者である彼が,世界最先端の「がん研究者」の成果を集め,「がんがとんでもないエイリアン」であっても,そのエイリアン撃退の可能性をどこまでも信じるかどうかには「重要な意味と影響」があるからです.

 この一言を聞いて,「もしかして,最初の放送の結論が変わるのではないか」という思いが一瞬過ぎりましたが,この一瞬の「ひらめき」は,間違いではなく,「その推測の通り」になっていきました(つづく).


 J0423014