今年は,本「3i理論」の実践的追及がますますなされることになります.

 この理論について,新原先生といくつかのやり取りをしているなかで,先生が高専との連携を非常に重要視していることが明らかになりました.

 新原先生のすばらしいところは,それがすぐに実践に結び付くところであり,その第一は,先生自身による高専訪問でした.

 これまで30年余において,技術科学大学の学長自身が全国の高専を訪問することは一度も実現していませんでしたので,これが高専にとっては非常に重大なことでした.

 早速,2009年10月末には徳山高専を訪問され,教員,学生たちとの交流が深まりました.とくに,学生たちとの懇談会においては,直に「3i理論」を講義され,感動的な触れ合いのシーンが実現されました.

 その後の新原先生の高専訪問は,12月に鈴鹿高専,この1月には津山高専,2月には大阪府立高専へと行かれる予定です.こうして学長自らが高専に出向き,教員や学生たちと直に交流するという行為は早くも高専間で刺激的な話題になり始めています.

 昨年11月,新原先生から,長岡技術科学大学と高専の全国的な連携を発展させるための集会を開催したいので協力していただけないかという依頼を受けました.

 長岡技術科学大学と全国の高専が手を取り合って連携を発展させるための恒常的なシステムを作り上げることを実現することを検討するための最初の本格的な集会にしたいとのことで,これに賛同し,すぐにそれを検討するための企画書づくり委員会を発足させました.

 すでに,新原学長は,徳山高専を訪問された際に,その恒常的なシステムの構築の必要性を強調されていましたし,さらに,長岡技術科学大学を「4年後に日本一,6年後の世界一」を目指すと強調されていました.

 この目標実現は,高専との連携問題も当然のことながら含まれていますので,そのことも視野に入れて,この研究集会の内容を考えることになりました.

 この集会によって,高専と技術科学大学がともに発展するために,その知恵と工夫をいかになすか,これが本格的に問われることになり,メンバーのみなさんに「たたき台」を示しながら,その議論を重ねました.

 その柱は,「主体」と「核」に関するものであり,前者においては,互いの連携を発展させるために「キーマン」やその将来を担う若手を集めることが検討されました.

 また,その連携の要,すなわち後者における「核」となる技術をいかに開発するか,そのための共同をいかに実現するのか,さらには,ブレイクスルー技術をいかに開発するか,これらを明らかにすることの重要性が論じられました.

 このシンポジウムは3月に,長岡技術科学大学において開催される予定ですが,その目標を達成するために,正月明けから諸準備が本格化します.

 この連携の発展によって,高専と技術科学大学における「新たなブレイクスルー」を堂々と実現したいですね(つづく).


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