最初の放送(11月23日)と今回の放送(12月27日~29日)において,その結論における2つ目の相異は,次のようでした.

 第1回(11月23日)

 「死ぬまで生きることが,がんを克服することである」

  著名なジャーナリストであり,自ら膀胱がんになっている立花隆さんであっただけに,この最後の結論は,視聴者に重大な影響を与えました.

 せっかくのがん研究に関する最先端の成果を集めたものだったのですから,素直に次のような疑問が湧いてきました.

 「そうではなくて,もっと何か希望の糸口が少しでも見出せるものでないといけなかったのではないか」

 「そうでないと,みな暗くなって,なんとか生きようとする気力を失ってしまうのではないか」

 「もっと工夫した表現があるはずだ!」


 第2回12月27日~29日

 上記の発言は,放送のどこにもなく,それが消えて,次の言葉に置き換えられていました.

 「人間は死すべき運命にある.それを自覚することで運命を乗り越えることができる」

 「人の命は,『連環帯』といえ,『命の連続帯』と考えることで,個々の運命も乗り越えている」

 この結論は立派であり,第1回のものと比較すると「より優れたもの」といえます.

 やはり立花隆さんですから,「こうでなくてはいけません」,このように思いました.

 じつは,この第1回の放送の直後に,K1さんにお願いして,この番組の関係者に面談させていただくことができました.

   K1さんは,さすが有名カメラマンの二人のうちの一人だった方ですので,その効果は抜群で,この面談はすぐに実現しました.

 その方は,大変忙しそうでしたが,その時に,第2回目の放送の仕事が始まっていたのかもしれません.「いろいろな方の取材をさせていただいた」と仰られていました.

 まず,私が驚いたのは,その方が大変疲れた顔をされていたことでした.「そうか,大変なお仕事を真剣になされていたのだ」と思いました.

 早速,私は,先日の放送について,率直な感想を述べさせていただきました.

 「大変,すばらしい内容でした.やはり,がんは最先端の知識を習得しないとよく理解できない病気なのですね.非常に感銘を受けました」

 「しかし,立花隆さんの最後の言葉には,なんとなく違和感を覚えました.『死ぬまで生きることが,がんの克服である』という結論は,なかなか理解できないことではないでしょうか」

 「数々の立派な仕事をなされてきた立花さんですから,それらを踏まえますと,ちょっと,どうかなと思いました」

 こういうと,なんらかの反論があるのかなと思いましたが,なんと彼は,私の発言をそのまま受け入れて,「そうかもしれない」と思われるような,むしろ肯定的な対応を示されていました.それで,とても素直で,好感の持てる方だと思いました.

 こうして,後につながるよい面談ができましたので,K1さんには大変感謝いたしました.

 これらの経緯を踏まえますと,もしかして,私の発言が,第二回目の発言に少しは影響したのかもしれないなと思いましたが,それは私のかってな推測の域を出ていません.

 万が一,そうだとしたら,とても喜ばしいことですね.

 J0426591