第4のブレイクスルー問題は,マイクロバブルの「植物活性」についてです.この問題については,昨年においてかなりの究明がなされてきました.

 しかし,引き続き重要な課題ですので,今年は,その技術の「種」を,さらに「育て,花開かせる」必要があります.

 すでに明らかなように,「植物工場」が新たな産業へと成長できるか,これが非常に重要な問題として浮上してきています.

 この植物工場ブームは過去に二度あり,今度で三度目ですが,いずれもそれが重要な産業へと発展しなかった理由は,そこに採算性が確保できなかったことにあります.

 高くてまずい野菜,あるいは美味しくない野菜は安くしても売れないのが当たり前であり,安全で美味しい野菜を安く供給しながら採算性も確保できる,このブレイクスルーを実現することで,この壁を突破する方法を開発する必要があります.

 それでは,現状の「植物工場」において重要な問題は,どこにあるのでしょうか.この問題に関して,昨年11月に,その道の権威と呼ばれる方の講演を拝聴することができました.

 その根本問題は,次の2点にありました.

 ①照明としてLEDを用いるとコスト高になり採算が取れない.今のところ,蛍光灯が一番安いが,それでもコスト高を工夫しなければならない

 ②したがって,大規模植物工場としては継続的な野菜生産ができず,小規模でレストランなどを併設して,そこで野菜を使用・消費するような形態でしか採算性が確保できない.

 これらに加えて,以下の問題点も指摘されています.

 これまでの植物工場においては,葉菜類(レタス,ホレンソーなど)の栽培に限られることが多く,果菜類(トマト,キューリなど)や根菜類の生産が十分になされていない.

 ④美味しさの追及が本格的になされていないので,結果的に価格を上乗せできない,美味しさにおいて十分満足させることができない野菜づくりに留まっている

  これら4つの問題をどのように解決するか,それが根本的に問われているのであり,その解決なしに, 「農商工連携」や「農業における新産業の創成」,「内需拡大」を実現することはほど遠いのではないでしょうか.

 ここには,新たなブレイクスルー技術の導入しかなく,とくに,それを担う主体が農村である場合には,そのことがより鮮やかに問われることになります(つづく).

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