岩村もみじ屋は,宮島宮の山手の方の裏通りにありました.普段ですと人通りの少ないところです.笑顔で岩村夫婦が迎えてくれました.
「いやぁ,久しぶりですね.お元気でしたか.随分,饅頭の方が評判がよいそうですね」
「おかげさまで,もう先生4年になりますかね.本当にお久しぶりです.おかげさまで忙しくしています」
こういって岩村さんは笑顔で迎えてくれました.同時に,ご主人は,焼きたてのもみじ饅頭をすぐに出し,奥様は,お茶をさっと出してくれました.さすがに,素早い対応です.
この熱々のマイクロバブル「もみじ饅頭」を食べる前に,まずは記念撮影から,「今度『マイクロバブルのすべて』の続編を書くときに掲載させていただきたい」といいい,その撮影と掲載を了解していただきました.
笑顔の岩村さんが,すぐに焼きたてのマイクロバブルもみじ饅頭を3つ出してくれました.じつは,学生時代に,初めて宮島を訪れたときの帰り道で,あの焼きたての饅頭を食べたいという思いにかられたことがありました.
しかし,貧乏学生の私は,それとて買う余裕がなく,我慢して店の前を通り過ぎるしかありませんでした.それから,駅の店頭でも,この饅頭をよく見かけましたが,それを買ったことがなく,同じ広島の名物でも別のものに関心を寄せていました.
4年前の岩村さんが,㈱ナノプラネット研究所に来られたときの会話を思い出します.
「私は,もみじ饅頭づくりにこだわっています.小豆も,高い北海道産を用い続けて,なんとか,より美味しいもみじ饅頭づくりができないかと考えていたら,マイクロバブルの話を聞き,これでなんとかなるのではないかと思ってやってきました」謙虚でありながら,やる気を示した岩村さんの姿勢に心を動かされました.そして,もみじ饅頭の作り方を教えていただきながら,マイクロバブルの適用方法を考え,こういいました.
「よくわかりました.マイクロバブルが使えるとろにはすべて使いましょう」
こういって,1トン用のマイクロバブル装置2機の設計を行いましたが,これが結果的によかったように思います.
じつは,二年前あたりから,岩村もみじ屋のマイクロバブルもみじ饅頭が評判になっているという話がいろいろな方面から寄せられるようになり,わざわざ,それを買ってきてくださる業者の方もおられました.
「たしかに美味しい.この評判は本物である」
と思って,私も,それを全国の親しいみなさま(鶴岡高専の学生たちなど)に送らせていただくほどになりました.つい先日も,教え子のMさんは,徳山高専の後輩たちに,その饅頭を送ってくださり,とても大好評でした.
また,この饅頭は,宮島の本店のほかに,広島駅前の福屋という総合百貨店の地下に売られていましたので,そこに何度か買いに行きましたが,それがいつも売り切れで,残念な思いをよくしていました.これは,教え子のMさんも同じ思いをしたそうです.
ですから,一度直店の方に覗って話をしたいと思っていましたところ,大手証券会社のHさんが,ぜひ見学したいといってきましたので,その方と同行することになりました.
念願の焼き立て,あつあつのもみじ饅頭(つぶあん入り)は,なんともいいようもない美味しさでした.明らかに,冷えたもみじ饅頭とは違う,「これは,べつものだ!」と思いました.
こうばしい「がわ」と,あつあつのとろけるような餡(あん),「この美味しさは食べてみないとわからない」と思いました.思わず美味しいので,再度,おねだりをして3つ食べました.
ここで,熱々の場合,「つぶあん」か「こしあん」か,という問題になりました.もみじ屋の奥様は,「熱々の場合はつぶあん,冷えたら,こしあんがいい」といっていましたが,やはり,私の感想もその通りでした.
こうして,「美味しい」,「作り方はどうだ」,「饅頭焼機の様子はどうか」,「つぶあん」,「こしあんは?」などといってにぎやかにヒヤリングをしていたのですが,そのなかであることに気づきました.
岩村さんも奥様も,わたしにかまっておらないほど忙しくしているのです.他に売り子の若い従業員も忙しくしていました.これをみて,私は,不思議で重大な事が起きていると思いました.
これは,またまた「マイクロバブル吃驚現象」であり,それを目の前でまざまざと見ることになりました(つづく).
焼き立てほやほやのマイクロバブルもみじ饅頭(つぶあん)
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