次は、この1年間で立派に成長した女子学生の話です。彼女が3年生のころは卒業できるかどうかを心配するほどでしたが、それが見事に成長して変化を遂げていきました。

  以下は、卒業研究をすることによって成長してきた過程です。

 まず、卒業研究の配属で、最終的に私の研究室に来るようになったことで、私もいろいろ考え、そのテーマにおいて、「マイクロバブルによる植物活性」についてはどうかと尋ねると、それを行うことを了承していただきました。

 この研究は、相手が植物ですから、その世話を毎日のようにしていかねばなりません。植物が調子よく育っているときには何も問題がありませんが、そのような場合はほとんどなく、毎日、それを観察しながら対策を講じていくという粘り強い作業が必要になります。

 これは、簡単なようで、なかなか難しく、さらに私たちが植物栽培のプロではないことから、そのために過誤が起こることが避けられなくなります。

 また、この観察作業は、一人だけでは困難な場合もあり、みんなで作業をしながら、その中心になって責任を果たさなければなりません。

 最初は、大変おぼつかなく、これはどうなることかと思っていましたが、まず、マイクロバブルで植物を育てることに興味を持ったのが彼女に幸いしました。

 あれや、これやとみんなが手伝い、作業をするようになったので、彼女も一生懸命にならざるをえない、このような状況が生まれてきました。

 最初は、植物の世話をする、マイクロバブル発生装置の設置、植物の成長に応じて、ヒモで倒れないようにすることが必要になります。

 また、水質を管理し、状況をはあくするために計測する、植物の不具合を見つけ対策をねる、頻繁に観察してビデオカメラで撮影してデータになる画像を撮る、マイクロバブルなしの状態との比較実験を行うことが重要です。

 そして何よりも、新しい植物栽培を行い、それを成功させる、これらが一挙に彼女の作業として要求されることになりました。

 私も、植物の成長具合を楽しみにして、できるだけ実験室に通うようにし、彼女に指示を出し、責任を持って育てるという自覚を持つように仕向けました。

 しかし、これらの課題を彼女自身がこなすことは明らかに無理でした。そのことを周りのもの(私、研究生、同級生など)はよく理解していましたので、その彼女にどのように支援のための実践をするか、これも小さくない課題となりました。

 すなわち、どのようにしたら彼女がその気になり、彼女の研究がうまく進展するか、それが問われることになりました(つづく)。

J0222644