昨夜は遅くまで,朝から土木学会中国支部に申し込む原稿書きの指導に明け暮れました.今年の5月に学会講演会がありますので,いつもになく6件の申し込みをしました.

これらの原稿において書くべき字数を合計すると,軽く1万字を超えるほどの分量です.

その原稿締め切りが本日でしたので,朝から約13時間連続で,その仕事に没頭してきましたが,まだ,3件の原稿が仕上がっていません.

ひとつひとつ原稿の内容を討議しながら学生の方々に書き直してもらいますので,それには非常に時間がかかります.

まず,学生たちは,その原稿執筆の内容の全体像を理解することができません.そのため,研究の目的が書けず,図面を含めた全体像やその内容の基本骨格を表すことができません.

それから,科学的研究の成果をきちんと理解し,それを論理立ててどう表現するかで困って右往左往します.

さらには,論文作成要領に則った文章を厳密に書いたことがありません.字の大きさ,フォントを整えた文章を書いたことがないので,この統一化ができません.

もっといえば,ちょうど決められた原稿紙数に収める文章化の経験にも乏しく,こうなると,わずかなページ数の原稿でも,それを書き上げることには,大変な時間と労力,そして修練が必要となります.

しかし,そのように「ないないづくし」の能力を問題にしただけでは話は通じません.要は,これらの問題を乗り越えて,その原稿を完全に書き上げることができるようにしなければなりません.

これが教育そのものなのです.

ですから,時間をかけ,じっくりと丁寧に,そして粘り強く,その学生たちと向かい合いながら原稿を仕上げていく必要があります.

また,まだかまだか,早く書けと急がせることもいけませんので,私も自分の原稿を,その合間に書かせていただきました.

「マイクロバブルの温泉効果」という題目でしたが,長野県阿智村の昼神温泉を中心に,その湯治客に対するヒヤリング調査結果のまとめと,血流促進効果に関する実験データを示させていただきました.

こうして,このテーマでの原稿を書き上げてみますと,いよいよ,この温泉シリーズのデータのまとめと発表が始まるのかと今更ながら思いなおすことができました.

というわけで,これから,学生たちの原稿の仕上げに忍耐強く付き合わなければなりません.おかげで,本日が「よいこと」が起こり続けて「5日目」であることをすっかり忘れていました.

締め切りに追われている学生たちの真剣なまなざしを見ていると,教師としては,それどころではないと思うばかりで,自分のことを「どうだこうだ」と考える余裕もありませんでした.

というわけで,「よいことが起こり続ける」のは,5日目で,あえなく終わりになりました.

よいことばかりが,そんなに長く続くことも,あまりよいことではありませんので,これが自然の「なりゆき」と納得することにしました.

しかし,学生のみなさんのおかげで,久しぶりに充実した一時を過ごすことができました.

やはり,若い学生たちと一緒に仕事をすることは,とてもよいことですね.

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